商店街の空き地で実証実験を続ける「みちくさ市」、人が集まる企画とは?
まちづくりは根比べ。とにかく時間軸が長い。
都農町の商店街は、何十年前かに事業決定された都市計画道路の拡幅予定地でもあります。
商店がない商店街で、いまの幅員8mを15mにするというリアリティーのない計画。といって、先送り、放置しつづけても次世代にわたしようのない話なんじゃないかと思って、昨年のいまごろ「いまできること」「まずやってみる」ことを提案。
具体的には商店街の真ん中に位置する空き地(町有地)の活用です。
1.花とみどりで商店街を元気に
まずは、人が集まらないことにはなにもはじまらないので、何があったら人が集まるのか実証実験をしましょう!と提案してはじめたのが「みちくさ市」。
2021年に結成された小学生のゼロカーボン推進チーム「Green Hope」が、主催者の一角をしめ、「花とみどりで商店街を元気に!」というコンセプトを子どもたちと議論して決めました。
花の生産者や種苗店、花屋さんを巻き込み、じわじわと企画を。
イベントの名前も、小学生たちの発案で「みちくさ市」に。学校帰りの小中学生や近所の人たちも気軽に立ち寄って欲しいという思いを込めて。
毎年、商店街の一角をしめる中町自治会では、2月の尾鈴マラソンに備えて商店街の沿道に100台のプランターを設置し、花を植え、ランナーさんたちへ少しでもいい環境で走ってもらおうとボランティアで植栽をしていました。
みちくさ市を機に、子どもたちともうひとつの北町自治会のみなさんも一緒に、プランターづくりをしながら、木枠づくりも一緒にやることに。
子どもたちと話した目玉企画は、宮崎県・都農町自慢のスイートピーを1,000本使ってフラワーアートをつくることに。
2.みちくさ市開催(8回)
初めてのことで、告知もままならないなか、真冬の午前中というきびしい環境ながら快く出店を決めてくれた町内事業者のみなさんの美味しいフードに支えられ、500人近い町民の方々が集まってくれました。
第2回は、みんなで座れるフラワーベンチ、「みちくさ市」の看板づくり。
また、「あおぞら座談会」と称し、自治会の方々とこれまでの商店街をパネル写真で振り返りつつ、商店街の通りの名前募集をはじめました。
第3回では、250名近く応募いただいた「通りの名前コンテスト」の投票会。
メインイベントは都農町初の『どうろあーと』。子どもたち中心に、巨大な「つの未来ツリー」を描きました。
第4回では、3案に絞られた「通りの名前」の決定セレモニー。
『一之宮通り』に決定!
都農中学校の吹奏楽部がファンファーレの演奏
第5回は、NHK宮崎の取材が入る中、みちくさ市の会場を広場として常設化する企画と模型を作成して、自治会の皆さんと「あおぞら座談会」
雨の中ではありましたが、大型テント内では、子どもたちが待ちに待った「流しそうめん」を敢行!みちくさ市で一番の人気コンテンツに。
日差しの強い宮崎県都農町では、日中行事は6月が限界。ということで、7月からは初の夜市にチャレンジ。
都農ワインナイトと銘打ち、都農町自慢の都農ワインを堪能しながら県内ミュージシャンによるライブを楽しむ企画。
最後はナイアガラ花火で大盛況に。
第7回では、畳の上に人工芝をはって夜ヨガ。大人たちがワインを飲んでる間、子どもたちはずーーっと走り回ってました。
そして、先週末は、初めての「星空上映会」。「SING」は子どもたちに大人気。大人も一緒におでんやピザを堪能しながら鑑賞会。
3.広場として常設化を目指した企画
ほぼ毎月1回ペースで開催しているみちくさ市ですが、ここでの実験結果を踏まえながら、常設化の企画を進行させてます。
グランドデザインで描かれた商店街の理想は「さるきたくなる愉歩道」
そのために、「行きたい居場所」と「歩いて愉しい」ことをゴールに、自治会をはじめとする町民の方々や小中学生たちと意見交換中。
共通するニーズは、日差しをよけられる「屋根」と、日常的におしゃべりできる「ベンチ」や「芝生」。そして、夏祭りだけではなくイベントでも使いやすい「ステージ」の設置など。
9月からはじまった、都農中学校2年生の総合学習「つの未来学」。
今年の15時間のテーマは、「広場づくり」
2年生全員と、中学校から商店街まで歩いて現地に。面積を測ったり方角を調べたり、周辺建物の状況もチェック。
自分たちが行きたくなるために広場に何が必要か?をテーマに、現在、合計300個出したアイデアを10個に絞りチームわけ。
来週からいよいよ具体的な企画をして、12月には町の人たちに提案準備中
4.人が集まる企画とは?
町の人たちの意見を反映した設計案を作成し、つの未来財団や都農町、そして町内の事業者さんたちと、整備費用や運営方法を具体的につめていけるよう、ぼくらがやるべきは、とにかく人が行きたくなる広場の企画づくり。
さらに、「花とみどりで商店街を元気に!」を持続可能性あるものにしていくためには、花とみどりのお世話組織も必要。GreenHopeと一緒になって、(仮称)みちくさえんげい部の企画もはじめてます。
みちくさ市を合計8回やった現時点で、人が集まるポイントとして
以上のコンテンツを中心に、毎日、毎週末、月一回などに切り分けて、継続可能な運営モデルも検証していきます。
今後も毎月開催する「みちくさ市」では引き続き、新しいチャレンジを重ねて、ひとりでも多くの町民が日常的に立ち寄りたくなる場づくりを目指します。