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ゼロ・カーボンに向けて、歩いて楽しめるまちづくり、オンデマンド交通の可能性

都農町では、今月13日に『都農町ゼロカーボンタウン宣言』を表明、本格的に二酸化炭素削減に向けてアクションを起こしていきます。

都農町では、エネルギー部門に次いで、運輸部門、特に貨物輸送による二酸化炭素の排出量が多くなっています。

貨物車両をはじめとして、すべてをEVに切り替えていくことは、少なくても都農町においては現実味がないと思います。

それよりも、町全体のグランドデザインで企画中の「歩き回れるまちづくり」を推進していくことのほうが、40%近い高齢化率に伴い免許返納が増えていく町には合理的なのではないでしょうか。

歩き回れるまちづくり『愉歩道』構想は、以前にもとりあげました。

1. 高まる高齢運転者のリスク

年齢別の交通事故件数(年齢層別10万人当たり交通事故死者数)を見てみると、交通事故件数は減少していますが、高齢者ほど死者数が多い傾向は、変わらないようです。

個人的に、職場のそばの交差点でも交通事故はよく起きており、その多くが高齢運転者によるものであり、日常生活が車なしでは不便な地方の町村地区では、今後ますます深刻度が増していく課題です。

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75歳以上の死亡事故の類型比較をみると、「工作物衝突」「路外逸脱」の比率が75歳未満に比べて高く出ています。


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人的要因では、75歳未満の運転者では「安全不確認」が最も高い比率となっていますが、75歳以上では「操作不備」が最も高くなります。内訳では、「ハンドルの操作不備」「ブレーキとアクセルの踏み違い」が多く出ています。

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データで見るまでもなく、高齢になるほど交通事故のリスクは高まり、多くの高齢者が、運転しなくて済むものならしたくない、のではないかと思います。

ただし、都心と違い、地方の町村では、日常生活が車で成り立っていることもあり、「運転しない=仕事ができない、生活できない」という構図が課題の本質だと思います。

解決のためには、車を運転しなくても、仕事や日常生活に支障がでないような環境整備、しくみの開発が必要になります。

2. 公共交通の改革

地方都市ではライトレールを活用した交通網づくりが注目を集めています。

ただし、その場合の地方とは、政令指定都市から10万人規模の市が多く、都農町のような1万人の規模では、オンデマンドバスの導入のほうが現実的かと思います。

富山県はもともと車の利用の多い県(1世帯あたりの自動車保有台数 全国2位)でしたが、廃線の危機にあった地方路線をライトレール化したことで、利用者数が急増しました。


特に、60代以上の利用者増が著しく、高齢者の外出機会増に大きく貢献したとされています。


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宇都宮市では、少子高齢化に人口減少が加わる厳しい社会を生き抜くためには、車が運転できなくても多くの人が市内を移動でき、健康で元気に生活していくための公共交通ネットワークを作ることが必要であると考えており、その重要な装置として、LRTを導入したそうです。



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3. オンデマントバスの導入例

オンデマンドバスの導入例として、NTTドコモのAI運行バスがあります。

例えば、九州大学での実証実験では、AI運行バスを導入したことで、学内の店舗の来店者が1.4倍売り上げも1.7倍に増えたといいます。

会津若松市では、普段は訪問しないマイナーな観光スポットへの訪問割合が、2.7倍に増えたそうです。

横須賀での今回の実証実験の結果はまだ集計中だが、開始からわずか1カ月でAI運行バスのアプリのダウンロード数は1,000に達したとのことです。

約2,000世帯の地域の中で1,000なので、関心の高さがうかがえます。

利用者数は、2月上旬で1日当たり平均70名に達しており、予約の90%はアプリからというのも特徴的です。


利用者に実施したアンケートを見ると、約49%が「行動が活発化した」と言い、約98%が「移動障壁が低くなった」と答えています。

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チョイソコは地域の交通不便を解消し、主に高齢者の外出促進に貢献するデマンド交通です。

デマンド交通とは予約に応じて乗降場所や経路を変更可能な交通システムになりますが、チョイソコでは従来のデマンド型交通と異なり、民間企業が事業主体となり、エリアスポンサーによる協賛を得ることで採算性を向上しています。

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チョイソコでは6月現在で、導入した自治体は19自治体の導入実績が出ているようです。

 都農町でも高齢者世帯に配布されたタブレットを強みに、3台ある地元のコミュニティバスなど、既存の資源を有効に活用し、新しい公共交通のしくみをつくっていく必要があります。

コミュニティバスがあることで、車を持っていない、運転できない高齢者の方々は、買い物に行けたり病院に通えています。

とてもよいしくみなのですが、残念ながら、まだまだ利用者が少ないため、今後、デマンド型の導入など、増える一方の車を利用できなくなる高齢者の外出促進、健康増進の一助となるような機能改善が期待されます。


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