まちのグランドデザインを絵に描いた餅で終わらせない、すぐできるアクション100
まちのグランドデザインは理想的で素敵だけど、絵に描いた餅で終わる。
3年前、都農町からグランドデザインの作成業務を受けたときから、目の前の課題解決につながり、すぐできるアクションを並行して提案。
3年越しでグランドデザインの要約を冊子にした「つの未来ブック」が町内全世帯に配布。長かった。。
手に取りやすいよう、15cm×13cmのサイズと、横に広がる蛇腹形式。
片面は、まちなみデザイン。
もう片面がアクション100。
どちらからでも見れる両A面w
Twitterなどで紹介したところ、ありがたいことに現物を見たい、欲しいというお声をいただきました。
現物には限りがあるので、内容はそっくりそのまま、この場でご紹介。
↓に書いてあるとおり、どこの地域でも似たようなものなので、議論の入口としては使えるんじゃないかと。
グランドデザインのアウトプットのひとつ、「つの未来マップ」
理想を描きつつ、現実の課題解決としてつくったのが、「アクション100」
背景は、2050年には2人に1人が高齢者という現実
「人口ビジョン」や「長期総合計画」に共通する要素から「10の視点」を
「10の視点」ごとに、アンケートや町民ワークショップを重ねて、「10の理想のまちのすがた」を。
「10の視点」ごとに、「理想のまちのすがた」を実現するためのアイデアを100個考えました。
この100個は、ぼくらが町に提案したものであり、町としてやることを決定したアクションではありません。これから町民が話し合っていくための論点、手引きのような位置づけです。
1.農と食
都農町は「農の都」だけに、一番に来るのは「農と食」です。生産者数は減り、後継者難。販路も少なく、課題は山積みです。
3 オンライン料理教室
ぼくらがリノベーションした施設で料理家の今井真美さんにご協力いただきトライアルをはじめてます。
また、ぼくらが担当している範囲では、廃校になった都農高校跡地の計画で、下記のアクションを提案、検討をはじめてます。
2.経済
都農町は宮崎県と比較して農業の割合が大きく、第1次産業の就業者構成比は宮崎県の2倍、全国の7倍程度に。前述の農業の減退は、経済全体への影響も大きい。
16 まちづくりを商品にBtoBツアーの統括代理店を設立、町内外協業を推進
ぼくらが経営するHOSTEL ALAで、「まちづくりスタディツアー」として、社会人、大学生、高校生向けに、廃校活用や商店街再生をツアーコンテンツに町外ゲストの推進をはじめています。
廃校になった都農高校跡地の計画では、下記のアクションを提案、検討をはじめてます。
3.移住
都農町で生まれて「ずっと都農町」26%、「Uターン」37%
都農町外で生まれて「町外から転入」37%。すでに、3分の1以上が移住者になっている都農町。これから、どう定住を増やし、移住のきっかけをつくれれるかが重要なポイントに。
21 自然の中で過ごすワーケーションプラン
22 定額住み放題サービスの活用
ぼくらが経営するHOSTEL ALAで、定額住み放題サービスを提供するADDress、HafH、Living Anywhere Commonsと提携。ワーケーションや多拠点居住を実践する町外の人たちが集まりはじめています。
6月9日には、ぼくらが主催する、つの未来会議に、ADDress代表の佐別当隆志さんを迎えて、多拠点居住やこれからの働き方について学びます。
廃校になった都農高校跡地の計画では、下記のアクションについて提案、検討をはじめてます。
4.観光
現状の観光客は、道の駅つのに買い物へ来る宮崎県内の中高齢者。最大の観光資源である都農ワイナリーは、車でしかいけないため、滞在時間、消費単価があがらないのが現状の課題
31 心おきなくワインを楽しめる日向灘ビューのホテル
ぼくらが提案している最大の案件が都農ワイナリーのホテル。運営会社とは仮合意まで至っているものの、投資家は未定。これから一番がんばりたい案件。
40 「ゼロカーボン」学びの修学旅行
一昨年から、京都市立日吉ヶ丘高校と提携し、修学旅行やフィールドワークを企画、高校生たちが都農町に滞在し、廃校活用やゼロカーボンについて町の人と話し合ったり、町長へ提案を実践しています。
5.子育て
幼稚園・保育園在籍者数は2050年までに現在の約4割程度にまで減少。
廃校になった都農高校跡地の計画では、下記のアクションについて提案、検討をはじめてます。
6.デジタル
ぼくらが2020年に政策提言したデジタル・フレンドリー事業によって、全世帯にタブレットが配布され、定期的に高齢者向け講習会も実施。
廃校になった都農高校跡地の計画では、下記のアクションについて提案、検討をはじめています。
7.医療福祉
介護受給者や認知症患者は増加し、医師一人当たりの患者数も増加。
68.「つのまる」で日常的に双方向のコミュニケーション
ぼくらが、宮崎大学医学部より受託し、総合診療医の先生たちと運営しているローカルけんこうメディア「つのまる」。毎日配信している「けんこう日記」から、町民とのコミュニケーションをはじめています。
廃校になった都農高校跡地の計画では、下記のアクションについて提案、検討をはじめています。
8.学び・人材育成
小、中学校の生徒数は減少、2050年では2018年の半数以下に
図書館の入館者数についても近年大幅に減少傾向にある
71 素敵な大人に出会えて、未来の夢を考える公立塾
今年度からぼくらがはじめた新しいとりくみ、中学生の地域クラブ「まちづくり部」では、月火木金の週4日、1年生3名がまちづくりについてぼくらと話しながら具体的に町でアクションを起こしていきます。
廃校になった都農高校跡地の計画では、下記のアクションについて提案、検討をはじめています。
9.文化・スポーツ
都農町では、JFL昇格を目指すプロサッカークラブ「ヴェロスクロノス都農」をはじめスポーツは盛ん。課題は文化かなと思ってます。美術館をはじめとしたアートや音楽・本との接点がほぼないのが現状。
廃校になった都農高校跡地の計画では、下記のアクションについて提案、検討をはじめています。
10.ゼロカーボン
94.2050年の最大当事者による提案・議論、U-18議会
95.U-18議会への架け橋、小中学生選抜チーム
都農中学校の総合的学習の時間「つの未来学」で気候変動対策のアイデアを300個提案したことがきっかけで、2021年に「都農町ゼロカーボンタウン宣言」。その後、小中学生の選抜チーム「GreenHope」を結成、「都農町U-18ゼロカーボン議会」を創設し、毎年、小中学生がゼロカーボン施策を提言、今年の3月には、100万円の予算も可決いただきました。
11.まとめ
以上、「アクション100」の前後で、背景になった課題と、いまぼくらが直接動き始めたことをご紹介しました。
町全体としても、ぼくが把握できていないことを含めて、さまざまなアクションがはじまってます。
最近では、町として町外の事業者誘致をはじめて、そのホームページでも、「アクション100」が紹介されています。
先日、公募に参加する事業者の方々が都農町にきてプレゼンテーションを行ってました。ぼくがよく知る人たちもいて、がんばってほしいなと。
このように、町内外問わず、新しいことを起こすきっかけに、この「アクション100」が活用されれば理想的です。