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先頭を飛んで行け~ホッコーメヴィウス~

みなさんこんにちは、栗東の青木です✨
台風が過ぎ去って、ようやく季節が進むのかなと期待したのも束の間。
再び暑い日々が続いており、1日でも早く涼しくなってほしいとワガママな望みを抱きながら過ごす毎日です😔
そんなこんなで、noteを書くのは久しぶりだなぁと思いながら手を動かしております。

今回は推しであるホッコーメヴィウスについて取材してきました🐴
障害ファンの方はもちろん、「障害って難しい、、、」という方にも大好きなメヴィウスの魅力が伝われば嬉しいです!!



プロフィール📖

新潟ジャンプS(2024/7/27)

ホッコーメヴィウス (騸馬 鹿毛/栗東 清水久詞厩舎)
2016年4月15日生まれ。生産は高昭牧場
ダイワメジャー
ホッコ―メモリー

🐎2019年1月27日 西浦勝一厩舎からデビュー 新馬戦2着
🐎2020年12月13日 障害初勝利
🐎2021年3月 清水久詞厩舎へ転厩
🐎2022年7月30日 新潟ジャンプSで重賞初勝利(レコード)
🐎以降、阪神ジャンプSや京都ジャンプSなど障害重賞4勝
🐎今年は小牧加矢太騎手とのコンビで新潟ジャンプSを勝利

8月末、担当されている山田正次調教助手にお話を伺いました。

メヴィウスと山田さん🐴

2024年、夏

ー今年の夏はメヴィウスにとっても大変だったかと思います。
 東京ジャンプSは2つめの障害で落馬、競走中止となってしまいました。

東京ジャンプSは両サイドの馬がゲートが早すぎたこと、メヴィウスは8か月の休み明けということもあり立ち遅れてしまいました。
ハナを取りたいというジョッキーの気持ちで出していきましたが、思っていた以上にコントロールが利かなかったようです。
結果、必要以上に出していく形で障害に向かってしまい踏み切りが合わなかったという感じです。

ー新潟ジャンプSは小牧加矢太騎手に乗り替わりましたが、なにか経緯など  あったのでしょうか。

東京ジャンプSのあと、すぐに加矢太から「乗りたい」と先生に声をかけてくれたみたいです。

ー新潟ジャンプSはちょうど薄暮開催の日でしたが、なにか影響はありましたか?

メヴィウスは基本的に馬房でおとなしい馬なんですが、競馬になるといつも以上に馬房ではじーっとしているのでレースの時間による違いは無かったかなと思います。
暑さに弱い馬ではないですし、レースのタイミングでは陽も出ていなかったので、結果的に17時というレース時間は馬にとってはダメージが少なかったと思います。

ー小倉サマージャンプはケガで取り消しになってしまいましたが、状態はいかがでしたか。

新潟ジャンプSを勝った後は状態変わらずに来てたので、出走していたらそのままいい競馬ができたんじゃないかなと思います。
加矢太も「ロスコフが思っていたより強かったけど、いい競馬ができていたんじゃないか。」と言っていました。
小倉サマージャンプの前には「自信をもっていきます」と言ってくれていたのですが、競馬の結果を見て「新潟でロスコフと同じレースに乗っていた時のイメージよりも強かった。」とも言ってましたね。

ー出走叶わず、みなさん悔しかったかと思います。

へこみましたね。加矢太もへこんでましたね。
その日のレースは全く見れませんでした。

仲良し(?)なおふたり✨

競馬について

ー山田さんが思うメヴィウスの強みはどの点ですか?

一生懸命さですかね。

競馬では最後までやめることなく走りますし。
障害の飛越自体も上手だし、飛んでリードを広げていくので後ろの馬に脚を使わせたうえで自分は止まらないのが強さなのかなと思います。

ー転厩してきた当初からあのスタイルだったのでしょうか。

うちに来てからは「絶対に逃げなきゃいけない馬」ではなかったんですよ。
コントロールの難しさから、逃げてリズム良く走らせたほうが結果が伴うようになったのであの形になりました。

ーコントロールの難しさとは、どういった点ですか?

表現しづらいんですが、一生懸命走るのを真っ直ぐに抑えるのが難しい馬なんです。変に口向きの悪さがあるというか。
前の厩舎から引き継いだ時から直りませんでした。
あんまり喧嘩しないようにとなると、引っ張りすぎないで回ってくる必要があるんですよ。

ーメヴィウスがコントロールの悪い馬というのは驚きです。

2022年に重賞2連勝、2着1着ときていた時は黒ちゃん(黒岩騎手)しか乗れないんじゃないかなっていうくらい乗り難しい馬でした。
それを毎日調教をつけて、なんとか形にしていたんだと思います。
当時は担当じゃなかったんですけど、その前に担当した時から難しい馬だなと思ってましたね。

ー障害馬は基本的に騎手のみなさんが調教をつけていると思いますが、ブックの調教欄を見ると、メヴィウスは障害コースでの調教はほぼ全くしていませんよね。

メヴィウスはトレセンの流しは全く飛ばさないんですよ。
脚元の不安があるからなるべく無理はしないっていうのもあるんですけど、レースと違って気合が入らないみたいで下手らしいんです。

平沢さんが乗ってた時に「流しめちゃくちゃ下手や」って言われて、それなら流しを飛ばしてダメージが残るよりも、本番で飛ぶのが分かっているからわざわざ調教で飛ばさなくてもいいやということになりました。
平沢さんが2回乗ってくれた時、調教で流しを飛んだのはたったの1回くらいじゃないですかね。
2回目の東京ジャンプSの時は、流しは1回も飛ばずに本番だったので、それくらい競馬での飛越に不安がないということなんだと思います。
加矢太にも脚元のことを伝えたら、障害角馬場でしか乗らずにぶっつけ本番でした。

常識的に考えたら無理な注文をしてレースに向かっているとは思うんですけど、あれだけの馬だからジョッキーも納得して乗ってくれているのかなと思います。
あとはジョッキー同士で話をしているみたいで、加矢太もメヴィウスが流しが下手なことは聞いていたみたいです。
だからこの中間も障害に関しては角馬場で何回か飛ばしただけで、障害練習はほとんどしてません。

※「流し」や「障害角馬場」についてはこちらから👀

ー障害レースに対して魅力や面白さは感じますか?

正直、担当馬を障害レースで使うことに関しては怖さしかないです。
そこで花開いてくれたらいいなとは思うんですけど、どうしてもケガがついて回ることが多いですから。

僕、この前初めてメヴィウスのレース(新潟ジャンプS)をスタンドで観たんですよ。清水先生が「ゲートも大人しいからスタンドで観たらいいよ」って言ってくれて。
自分の担当馬のレースはちゃんと観たほうがいいとは思うんですけど。でも正直、怖さのほうが勝ってしまってバスの中で実況聞いてるくらいがいいかなって。
レースが始まると「無事に帰ってきてくれるだろうか」という気持ちばかりになりますし。

ー引き上げや口取りの写真を見て、「山田さん、ものすごくホッとされてるな」と思いました。

平地の競馬でもそうですけど、障害はそれ以上に落馬の可能性も大きいので無事に帰ってくると本当にホッとします。

新潟ジャンプSでの口取りシーン📸

ホッコーメヴィウス🐴

ーメヴィウスの性格を教えてください。

性格は「めちゃくちゃ可愛いし懐っこいけど、まじでビビり」ですね。
前にも言ったように、メンコなしで外に出ると暴れるんですよ。「もういい年なんだから、そろそろ落ち着いてもいいんじゃないの、、、」とは思うんですけど。
小倉サマージャンプが取り消しになってから初めて外に出した時も、運動していないのもあって跳ね回って「あ~これ相変わらず怖いな~」と思いました。
普段は猫みたいにおとなしいのに、あの暴れっぷりはダイワメジャーだなって感じます。
でも、それが競馬に繋がっている部分でもあると思いますね。

ーメヴィウスとどこまで行きたいと考えてますか?

あれだけ走ってくれるし、可愛い馬ですからね。まだしばらくは一緒に競馬に行きたいなと思います。
どこまでというよりは、使うと決まったレースをとにかく無事に乗り越えていけたらなと。

こぼれた人参を一緒に探すメヴィウスと山田さん🥕

ー障害ファンを中心に、SNSで人気者なのはご存知ですか?

僕はSNSやってないので知らないんですけど、レーススタイルが目立つし、しょっちゅう走ってますからね。
障害重賞みたら大体先頭で走ってるし、そういうところで目につきやすいのかもしれませんね。

ー推しポイントや競馬のときに「ここ見てほしい!」というところはありますか?

推しポイントは「パドックの可愛さ」と「レースは先頭で一生懸命に走る」ところです。

障害もきれいに飛びますし。
レース後に無事が分かった状態でレース映像を見て、気持ちよさそうに先頭を走っている姿を見ると、自分でも「やっぱりいい馬だな」と思いますね。
ワクワクさせてくれる馬ですよ。


あとがき

ここまで読んでいただきありがとうございました。
取材を通して私自身もホッコーメヴィウスについてたくさん知ることができましたし、この記事を通して彼の魅力が1人でも多くの方に伝わったのなら、とても嬉しく思います。

私にとってホッコーメヴィウスは「障害レースってこんなにもワクワクするものなんだ」と思わせてくれた馬です。
トレセンに行くようになり、初めて目にした重賞馬がメヴィウスでした。
そのときは障害を見始めたばかりだったのですが、もちろん名前は知っていましたし「あ、よく先頭で飛んでる子だ」と思ったと同時に、とても可愛いかったので推しの1頭になりました。

強烈な印象を受けたのが去年の阪神ジャンプS。
先頭で直線に入り、平沢騎手と最後の障害を飛ぶ姿をみて無意識に声が出ていました。最後は差されてしまい2着と惜しかったですが、あの時感じた高揚感は忘れられません。
そして今年7月の新潟ジャンプS。
当日は会社のテレビでレースを見ていました。東京ジャンプSでの落馬もあり、発走までは「とにかく無事にレースが終わりますように」としか考えられませんでしたが、小牧加矢太騎手と先頭を走る姿に再び高揚感を抱きました。リアルタイムで見る推しの勝利というのは飛び上がるほど嬉しかったです。(実際テレビの前で文字通り飛び上がりました笑)
残念ながら小倉サマージャンプは取り消しとなってしまいましたが、また元気に先頭を切って走る姿を心待ちにしています。

メヴィウスは少し長いお休みに入りましたが、また会える日を楽しみに仕事を頑張りたいと思います💪

個人的推しポイント「8歳とは思えぬ可愛さ」「🥕の食べ方が上品(ポロポロ落としちゃうところ含む)」

最後に、山田さんといつも穏やかに写真を撮らせてくれるホッコーメヴィウスに、心より感謝を申し上げます。


青木慶子 (1999年6月21日生 千葉県出身) 2023年入社。

先日、帰省が近くなったので実家用のお土産を買いに行ったのですが「この前は日本酒だったから今回はワインかな」と思いお酒売り場を覗いたところ、丹波ワインフェアなるものを発見。
全種類のポップに目を通していくと、一番最後に「サペラヴィ」と書いてあったので即決購入しました。(笑)
ちなみに、サペラヴィというブドウはジョージアワインに使用されるとても古い品種で、国内ではほとんど栽培されていないそうです。赤のスパークリングは初めて飲んだのですが、爽やかな風味で大変美味でした。興味のある方はぜひご賞味ください🍷(※回し者ではございません)
馬のサペラヴィは阪神ジャンプSに出走予定のようで、こちらも楽しみですね😊

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