ジャパンカップ注目馬個人的見解

1.はじめに
 ジャパンカップは例年人気馬での戦いになっているので、人気馬を中心に個人的見解を述べていく。しかし、今年は例年よりもメンバーレベルが格段に落ち、中穴が飛び込んでくる可能性も大いにあるので、この記事を執筆している段階での人気薄の中からも個人的注目馬について検討していく。

2.馬別見解

1番人気 3枠6番ヴェラアズール
昨年度まではダート路線で走っていたが、今年度になってから芝デビューしてきた馬。芝路線になってからは3.0.2.0で稍重だろうが小回りだろうが全レース上り3F1位と破竹の勢い。大型の馬で伸びの良い走りから東京の大箱は向いてそう。ラスト2Fからの伸びも脅威的。今回はおそらくユニコーンライオンの単騎逃げになると思われるので、前半ペースがそれ程苦しくならないと予想されるので、決め手が十分に発揮されるのでは。父エイシンフラッシュ、母父クロフネと血統からも切れ味とタフネスは見えるので期待。
個人的軸馬候補

2番人気 7枠14番ダノンベルーガ
皐月賞は舞台が合わず4着、ダービーは入れ込み+ラストで2度の不利を受けての4着、前走の秋天では勝ち馬のイクイノックスにも劣らない切れ味を発揮するもパンサラッサをクビ差でとらえきれなく3着とポテンシャルは3歳馬の中でもかなり上位な存在。父がハーツクライかつ新馬戦から皐月賞以外は左回りにこだわっており右のトモに不安があることからも東京競馬場自体はドンピシャに思う。しかし、イクイノックスに迫るほどの末脚を発揮して好走した前走と、一度は交わした逃げ馬のアスクビクターモアに差し返されているダービーのことを考えると2400mは長い印象を受け、東京2000mがベストに感じる。秋天を経由した馬がダービーで好走実績があっても軒並みジャパンカップで凡走していることを考えても重い印は打てない。

3番人気 7枠15番シャフリヤール
昨年の3着馬。また、ダービー馬でもある。前走の秋天は海外帰り1戦目ということもあり明らかな叩き台で、ラストも鞍上が鞭を入れる素振りが見えないことから対して追っていなかったがそれでも5着。今回のジャパンカップを勝てば、賞金と報奨金合わせて約7億円獲得することからもどう考えてもここがメイチ。今回の報奨金を得るためにわざわざドバイに行ったのではまで思う。飽くまで好走傾向データにはなってくるが、別レポートで述べた前走秋天組、ダービー実績馬、4歳馬など好走条件をいくつもクリアしているので、過去の実績と本気度を考えても印を打たない選択肢は無いように思う。個人的軸馬候補

4番人気 2枠3番ヴェルトライゼンテ
2年前のダービー3着馬。内目の枠から3コーナー付近で外に出し伸びた。この年の上位は1着コントレイル、2着サリオスで、コントレイルは生産入りで引退、サリオスはマイル・中距離路線に切り替えているので、実質的にこの年代の2400mだとトップクラスなのでは。昨年1月に屈腱炎を患ったが、復帰戦の鳴尾記念では復活の1着。ロスの少ない内目を回り、最後に抜け出した。脚質と距離適性で見ると東京2400mは合っているように思う。しかし、切れ味に秀でるというかは、スピードの持続力に秀でたタフな馬のように思うので、スローからのラスト追い比べになると予想される今回は展開が向くかは疑問。今回内の好枠を引けたのでロスは少なく、うまく立ち回れば勝ち切れないまでも馬券内はありそう。

5番人気 4枠8番デアリングタクト
2年前の無敗の3冠馬。右前浅屈腱炎を患って復帰後叩き2戦目で宝塚記念3着に好走は流石というべきか。しかし、そこからのオールカマーとエリザベス女王杯では振るわずどちらも6着。オールカマーでは内伸びの馬場コンディションの中外を回らされ続けた影響もある。エリザベス女王杯は4コーナーからいいポジションで抜け出したが、ラスト200m程で外から交わされた瞬間急に行き脚が悪くなった。そもそも馬場コンディションが悪すぎてこの馬の実力が100%発揮できなかった部分もあったと思うが、ズブさが出たのか気になるところ。今回は特に今まで主戦騎手を勤めていた松山騎手の動きが阪神で騎乗の話が出たり、結局東京で違う馬の鞍上になったりで不思議な動きをしているのも気になるところ。スムーズに考えれば、ズブさが出てきた当馬に対して追いっぷりがいいマーカンド騎手を起用したかっただけなように思う。舞台適性の合わない前2走で評価を落とすなら紐でケアしたいところ。

6番人気 1枠2番オネスト
フランスから来た3歳牡馬。パリ大賞を勝っているので、今回の海外馬で唯一報奨金の約4億円を狙える馬。芝では稍重以下しか走っておらず、斤量も58kg以上を背負っているので純粋な比較はできないが、過去10年のジャパンカップで重馬場だった時でも勝ちタイムが2:25:9だったことを考えると高速馬場でどこまで戦えるか。タイム面は全ての海外馬に言えそう。ただ、好枠を引いたことと、鞍上が東京強いルメール騎手なのでやや期待。

7番人気 4枠7番テュネス
ドイツからの3歳牡馬。この馬も稍重以下しか走っておらず、2400mの持ちタイムは2:35:85と先程のオネストよりも約8秒も遅い。単純比較はできないが、高速馬場は厳しいのでは。

8番人気 5枠10番ハーツイストワール
前走では4コーナー明けでキングオブドラゴンが内ラチに接触した影響を受け外にヨレたが、そこから持ち直しいいコースを見つけて2着に。東京成績は3.6.0.1で、東京2400mでは3.1.0.1と相性はいい。ただ切れ味がすごい訳ではないのと、6歳になった今年やっとG2で2着になったことを考えると実力にやや疑問符が付く。紐に入れて高配当を狙うと面白そう。

9番人気 8枠17番ユーバーレーベン
去年のオークス馬。外枠から行き場をなくした前走の秋天では後方2番手からの競馬。3コーナー手前辺りからじわじわと位置を上げていくが、大外を回してではさすがに間に合わなかったか。2000mでは少々忙しい印象を受ける。今回も外枠を引いてしまったので、10番手以内の位置取りを目指したいジャパンカップでは序盤の動きが非常に重要になりそう。順当に行けば掲示板内がいいところか。ただ、鞍上のM.デムーロはサウンズオブアースを好走させた実績があるので無視はできない。

10番人気 8枠18番ボッケリーニ
東京実績は出走数が少ないが、2.0.0.0と良績。しかし痛恨の大外枠。前走の京都大賞典では内枠から先団を見る形で好走、2走前の目黒記念では内枠から好位につけての勝ちだっただけに、今回の大外枠は厳しいように思う。

12番人気 7枠13番テーオーロイヤル
スタミナお化け。春天時の鞍上のインタビューで「この馬が疲れているところを初めて見た」とのコメントがあるくらい。前走はトップハンデかつキングオブドラゴンによる不利をモロ受けしたので度外視で良さそう。2走前のオールカマーではやはり外枠からいいポジションを取れず、4コーナーでは外を回らされた結果伸びず終い。決め手に欠けるこの馬が好走するには好位に付きたいところではあるので、ゲート後の行き脚が悪いこの馬に取って今回はやや外枠過ぎたかなという印象。ユニコーンライオンにうまくついていっていいポジションが取れれば。

13番人気 6枠11番カラテ
ずっとマイル路線だったが今年の新潟記念ではトップハンデを背負い10番人気ながら勝ち切った。馬体は四肢が長くスラっとみせ、個人的には元々中距離馬だったのでは?と思うくらい。中距離路線2戦目の前走秋天では、内枠から中団のいいポジションが取れたものの、4コーナーを明けてスパートをかけるタイミングでダノンベルーガに前を取られブレーキがかかる。そこから再スパートをかけるが、流石に伸びきれず6着。悲観する内容ではないように思う。ただ、2400mの距離は初なのとコース形態がタフなのでスタミナ面は少々不安。こちらも紐荒れ狙いでケアしてみても面白い1頭に思う。

2.個人的注目度
・軸、対抗候補
ヴェラアズール、シャフリヤール、ヴェルトライゼンテ

・紐候補
ダノンベルーガ、デアリングタクト、ハーツイストワール、ユーバーレーベン、カラテ、オネスト


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