2023 阪急杯
1.コース形態
阪急杯は阪神内回り1400mを使われる。スタートから初角までの距離が約440mと長く、平坦なため先行争いが激化しやすい。コーナーに進入してからは下り坂なため勢いづきながら最後の直線へ。直線は約360mでラスト200m地点から80m地点にかけて1.8mの坂がある。
PCIとは競馬データベース「ターゲット」で用いられているレースペース指数で、中心値が50でミドルペースが49~51、48以下が前傾ラップ(ハイペース)、52以上が後傾ラップ(スローペース)に該当するそうです。それぞれ値が50から離れるほどその要素が強まる。PCI3は馬券内3頭のPCI平均、RPCIは各計測地点先頭馬から算出されるレース自体のPCI平均。(詳しくはJRA-VANのQ&Aを参考にお願いします)
上記の表では過去10年データの平均を出しています。
阪神1400mでは若干の前傾ラップ傾向が出ている。初角までの距離が長く、先行争いがやや熾烈化しやすい影響だろうか。3F目からは一旦ペースは落ち込むが、それでも淀みないペースが続く。スピード能力と、距離にしてはスタミナも必要そう。
特に近年の阪神は時計が出やすいことと、初角までの距離が短いことがS傾向を強めている。合わせて最後の直線は短く急坂もあることから上りはかかりやすいのでH適性も必要。ということで、阪神1400mはSHタイプに属する。
上記の表は、過去10走分の競争成績を前述のクワドラント適性に当てはめて、独自の算定方式によって適性の高さを概算したものである。該当コースタイプのポイントが高いほどそのコースタイプに適性があると見てよさそうです。競争成績だけを抽出し、展開等は考慮されていないので参考程度に…
ポイント加算様式はある程度データが溜まればフィードバックしてより正確になるようにブラッシュアップしていく予定です。
脚質は過去10走で一番機会が多かったもの、適距離は最も好成績を残している距離、適性下限、適性上限はそれぞれ好走経験がある距離の最短・最長距離を表示している。こちらも参考までに…
2.人気・枠順・脚質等傾向
上位人気の信頼度はそれ程高くなさそう。短距離戦は紛れが起きやすいのでこんなものだろう。しかし、1番人気と2番人気自体の成績は悪くないので判断に迷いますね。
逃げがかなり有利そう。かと言って後ろが届かないかと言われるとなんなら先行馬よりも届いている。後ろから届きやすい要因としては、初角までの先行争いが激化しやすいことと、3コーナーから4コーナーにかけて下り坂になっていることにより、後ろの馬が勢いづいて直線に進入しやすいことが影響していると予想。
枠順はやや中枠が不利か。初角まで十分距離があることから外枠の先行馬もあまり無理なく前目を取りに行けるため、先行力の無い中枠の馬は内枠と外枠に被されてしまうからだろか。
短距離戦ということもあり、番手的には後ろ目でも実質はそこまで大きく距離が離れていないせいか意外と10番手以降でも届いてはいる。
全体を通して見ると距離短縮組の成績が良いが、脚質で分けると面白いことに前方脚質が今回延長組、後方脚質が今回短縮組の回収率が優秀。馬券的妙味はここにありそう。
阪神カップ組は同舞台のG2ということで、好走率は優秀だが馬券的妙味は皆無。妙味で行くと京都金杯が美味しいので、前述の距離短縮の後方脚質組の件と合わせて考えると良さそう。
まとめ
・データ傾向では逃げと差しが有利
・先行したい馬の頭数チェックがより重要になりそう
・中枠が不利
・逃げ・先行馬は距離延長、中団・後方からの馬は距離短縮が馬券妙味あり。