#5 MBA日記 「キャッシュフローマネジメント(P/L:損益計算書について)」
今回は、キャッシュフローマネジメントで必要になる、
P/Lについてまとめたいと思う。
P/L(損益計算書)について
英語で「Profit and Loss Statement」を略して「P/L」とも呼ばれている。
損益計算書は、収益・費用・利益が記載されており、会社の利益を知ることができるものになっている。
損益計算書には、収益・費用・利益の3つの要素が記載されている。
商品・サービスを販売し得られた売上高から費用を差し引くことで、利益を計算していく。
損益計算書から分かる利益は5つある。(「売上総利益」「営業利益」「経常利益」「税引前当期純利益」「当期純利益」の5つ)
①売上総利益について
売上総利益は、自社の販売としている商品やサービスによって得ている利益の把握ができる項目。
売上総利益率を算出することで、会社の収益性を見極めることができる。
業界によっても違うが、小売業で、平均30-40%前後になるといわれる。研究開発などにお金を使うIT業界や製薬業界では、70%近くになることもある。
計算式: 売上売上総利益=売上高-売上原価
売上総利益率=(売上総利益÷売上)×100
②営業利益について
本業における営業力によって稼ぎ出した利益のことを指している。
売上総利益から、商品やサービスを販売するために欠かせない経費である「販売費および一般管理費」を差し引くことで、求めることができる。
計算式: 営業利益=売上総利益-販売費および一般管理費
・販売費および一般管理費
販売費および一般管理費は、商品やサービスの1つ1つに対応しない費用のこと。
→販売費は、商品を宣伝するための広告費用が該当
→一般管理費は、オフィスの家賃、社員の給与、電話代、交際費などが該当
③経常利益について
経常利益は、本業以外の収益・費用をまとめたもの
株の売却益や、グループ会社の子会社の有価証券利息などが含まれる。
計算式: 経常利益=営業利益+営業外収益-営業外費用
・営業外収益
営業外収益は、主に財務活動による収益のこと。
預貯金や貸付金の利子である「受取利息」や、国債や地方債、社債などの債券や株券から発生する「有価証券利息」などが含まれる。
・営業外費用
営業外費用とは、営業活動以外において継続的に発生する費用のこと。
借りたお金の利息、社債の発行に必要な費用、株式の売却損などが含まれる。
・営業外損益
営業外費用と営業外収益をまとめて、「営業外損益」と呼ぶ。
④税引前当期純利益について
法人税など、その期に納めるべき税金を支払う前の利益額のこと。
計算式: 税引前当期利益=経常利益+特別利益-特別損失
・特別利益
特別利益とは、本業とは別に臨時的に発生した利益のこと。(通常であれば、発生することはなかった利益)
不動産などを売却したことによる「固定資産売却益」や、長期保有していた株式や証券の「売却益」などが該当。
特別利益は、企業にとって「通常であれば発生しえない利益」です。そのため、特別利益が大きいからといって、業績が良いということにはなりません。
・特別損失
本業とは別に、臨時的に発生した損失のこと。
不動産の「固定資産売却損」や長期保有している株式の「売却損」、火災や盗難、「災害による損失」などが該当。
特別損失はそのときだけの例外的な損失であるため、金融機関の融資判断に影響することは、あまりない。
⑤税引後当期純利益について
最終的な利益のことを「当期利益」といい、と言われる。
当期利益が純粋な企業の利益となるので、この数字がマイナスであれば赤字になる。
計算式: 当期利益(純利益)=税引前当期利益-法人税等(法人税+法人住民税+法人事業税)
・法人税等
会社が出した利益に応じて課される法人税、法人住民税、法人事業税を、合わせて「法人税等」と呼ばれる。
まとめ
今回は、P/Lについてまとめていった。
事業の規模感や本業の利益である営業利益などを自社で分析をするとともに、業界間での競合分析でも比較してみることでどこに力をかけているのかがわかる。
また、違う業界で見ることでも、大きく変わってくるので、いろいろ比較して分析することが重要になってくる。
まずは、自分の企業や業界、興味のある会社で分析をしてみるといいと思われる。
次回は、資産の構造、会社の状態を見極めるための、B/Sについてまとめたいと思う。
清水慧(しみずけい)
医療用医薬品の調査会社にてリサーチャーとして勤務。前職では、大手内資系製薬会社にてMRを担当。2021年4月から立教大学院ビジネスデザイン研究科(RBS)にてMBA(修士課程前期)を就学中。将来、起業(医療業界・合気道道場)を夢見てます。趣味は、トレーニング・合気道。