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アートとデザインの違い

1人称と2人称以上


デザインはアートは、、色々言われているけれどこの10年でも様々な定義がなされたけれど今でも思う基本理論は
アートは”自分本意”、デザインは”他人本意”
言い換えるとアートは1人称、デザインは2人称、3人称
デザインは誰かの問題解決が前提にあるから、2人称か3人称以上で成り立っている。

アートだってクライアント(発注者)がいればそれは他人本意じゃない、と言われるかも知れないけれど
起点としてはアーティストは自分が人や社会に思う自分なりのメッセージを自分なりの表現方法で伝えることが出来る。
それは個人の感情であったり社会に対する問題提起だったり様々。
1人の人から生まれるメッセージ。だから1人称。それを受けとる人は1人かも知れないし不特定多数かも知れない。

デザイナーという職種はこういう課題があるからこういう風にデザインして欲しいんだよね、という「課題」を受け取って課題を解決する提案物を作って成立する。そこには2人称以上の人が介在している。

美大を出て17年くらい経ってみて、ものすごく久しぶりに筆、というものを持って絵を描くという基本に帰ってみた。仕事にしているデザインと違い、何を描いてもいいのでこれを一応アート的行為とします。
描きたいテーマを自分で決める、これアート思考。
商業ベースのデザインの世界が長いと自由に自分で表現したいことを考えてごらん、と言われた時ちょっと戸惑いが起きた。
事業の戦略があってそれをブレイクダウンしてデザインの方向性を決めていくアプローチに慣れ過ぎて、さあ自由に考えて表現してごらん、という場に脳が瞬発的に動いてくれなかった。
今まで何かの課題が与えられてからスタートすることが多すぎた。
つまりこれってデザイン思考的アプローチとアート思考的アプローチの違いなんじゃないかと感じてちょっと愕然。
どっちがいいとかでないけれど場面場面によって必要なアプローチは違うなぁと感じる。
デザイン思考的って「課題」を素敵に解決出来る人だなと。
アート思考的って自分で課題を発見出来る人だなと。

慣れてくるとアート的アプローチも面白いなと思うのだけど頭の中の筋トレをしているようです。



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