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サービスデザイナーが、多国籍料理屋に行ったら

サービスデザイナーの渡邉です。
現職は人材系の事業会社で、
サービスデザイナーとして仕事をしてます。

その側で、仕事のない朝や、夜、休日はほとんどを社外のチームみんなとアプリを作って日夜過ごしてるような人です。

僕のキャリアは異例だと言われることが多いのですが、採用人事から異業種転職をしての今です。

このNoteを書いたのは色々な人が、今の仕事だけにとらわれないように。
一人のサービスデザイナーと同じ目で、世界を見れるようにしたかったのが理由です。

ちなみにサービスデザイナーとは

サービスデザイナーとは、ざっくり言うと収益性(ビジネスデザイン)とプロダクト体験(UXデザイン)の両方を担う仕事です。

経済産業省の出典だと、以下のような方法論としての定義になってます。

顧客体験のみならず、顧客体験を継続的に実現するための組織と仕組みをデザインすることで新たな価値を創出するための方法論

https://www.meti.go.jp/meti_lib/report/2019FY/000037.pdf

なのでWebプロダクトだけにとどまらず、日々生きている中で、触れるものの体験に着眼することが多いかと思います。

今日は一見すると、超ブラックボックスな「多国籍料理屋さん」に行くと、サービスデザイナーは何を感じるのか書いてみます。
※少しでも、こうした仕事に興味がある方が今いる場所から近づけるように同じ目線になってくれたら嬉しいです。

ちなみに伺ったのは東京駅隣の八丁堀にある「TRUNK CAFE」さんです。
(※案件じゃないよ笑)

多国籍料理屋で感じるUXデザイン

緑に囲まれた店内にて、入り口が引きか押しか少し悩んだ。笑
ただ無意識に行ったのは引きなので、基本生活では引き戸が多いんだろうと感じる。

一歩踏み入れると、オレンジの照明に照らされる、モルタルなバーカウンター。
木目とゆったりしたジャズで、おしゃれなのになんだかホッとするような感情になる。

席は4名掛けから、2名掛けまで用意されていて
好きな席をかけていいということなので
僕は、お店の全体が見える角の席をいただいた。

実は元から知っている店長さん(杉山さん)は、いつの間にか綺麗な金髪になっていた。
杉山さんは、とても気さくな方で、久しぶりにきた僕にも恐る恐る「もしかして?」と気づいてくださっていた。
お客としては、これがまたとても温かい気持ちになった。

サービスデザイナーの学び

❶オフラインならではの、「目が合う」ことの効果は?

杉山さんは、お客さんのオーダーをする際に必ず1回目をみる。
この業界の経験が長いからか、お客さんへの対応や距離感が心地よい。

それがすごく安心する。

Webで画面ばかり見ていると気づかないのだけれども、実際に人と目を合わせるという行為には、その時の感情がより伝達する体験だとわかる。

プレッシャーを感じる場面で見られれば
「威圧感」が伝わる。

安らいでいる場面で見られれば
「安心感」が伝わる。

行った・された行為で、自分が何を感じるかに目を向けることは、体験を設計する際に再現性を持つ可能性が高い。
日々、自分の思考で言語化することはかなり有効そうだとわかる。

❷初見の人への理想的なオンボーディング体験は何か?

多国籍料理は、よほど海外に行く人でない限り
ほとんどが聞いたこと・見たことがない料理だろう。
そのゆえに、
以下のどちらかが感情として起こる。

  1. そもそも、わからなくて注文をしない

  2. 目の前にしても一番美味しいと思える食べ順がわからない

サービス開発を思い出すが、そのプロセスで耳にするのは、「初見でわからない機能を作らない」ということ。
1のようにWebサービスではわからない機能は、そもそも使われない。

ただ面白いことに、2の「使ってみる気になったけど、触れた結果やり方がわからない」に関してはいい反作用がある気がしている。

自由度が高いがゆえに、どれから手をつけようとなるが、自身で自由に触って見つけた発見は、わからない反動も相まって面白さが深まる。
(デザイナーでいうOOUIにちょっと似ている感覚。)

実際に、サラダを食べて、チキンケバブを食べた時に日本ではなかなか味わえない珍しくもあり、美味しい感動があった。
(違う規定順路や食べ方を教えてもらっていたら、味わえなかったなと思いつつ、日本人が食べやすいようにアレンジしてくれている杉山さんたちの腕だと感じた)

ただ人によっては、この順路でない食べ方を美味しいと思う人もいるので、やはりサービス内でも企画・開発者が意図して使用する道順を規定しすぎないことによって、サービス体験は向上されるのかもしれない。

❸ターゲット選定の「誰」に「何」をより大事なことは?

多国籍料理が選定されるための障壁は「使うシーン」を想像することの難しさにあると思う。
さまざまなサービスでも打ち出す際に「誰」に「何」をと考えることは多いが、その欲求はシーンによって違う。

①「スポーツをする人が、エネルギーを補給できる飲み物」
②「試合中の選手が、試合の休憩でコーチと会話ができる1分間、すぐにエネルギーを補給できる飲み物」

①で言えば、バナナ、チョコ、カロリーメイト、などがあると思うがハードな試合の後で喉も渇き、話を聞く中でサクッと済ませられるものでなければ選定されない。でも沢山食べると次の試合に響くし・・・など考え、そんな時にちょうどいいのが。



こちらだ。





常にサービスは機能やターゲットだけでは繋がらない「どんなシーン」という視点に体験をはめていくことが大切になる。「どんなシーンに打ち出すか」次第では、もっと沢山の人にこの美味しい料理が届いていくと感じながら完食した。

❹お店のリロード時間を、どのように楽しんでもらうか?

クラウドファンディングを実施しているTRNUK CAFEさん。
各テーブルにチラシがあるのだけれども、周囲で手に取ってくれている人はまだいなさそうだ。

ではそれをどのように手に取っていただき、
お客さんを楽しませ、クラウドファンディングを成功に導くか?

僕はそのチラシを、料理の待ち時間に「今のメニュー国の歴史を知れる読み物」とか「実際に現地に行ってたレポート」とか「お店が立ち上がったストーリー」とか、何らかのコンテンツとして提供することで、もっと見てくれるのではないかと考えます。
実際にサイゼリアの間違い探しなど、あれは年齢問わずかなりのお客さんが遊んでいるのを、学生ながら自分も見ていた記憶がある。

これはもはや、ゲームのリロード画面に近い感覚だ。
サービス提供準備で画面を注視している間に、ゲームの機能や攻略方法を伝えることで、その後のゲームの進め方をスムーズにできるようにしている。

であれば、オフラインのお店も「このお店の楽しみ方」的なサービス提供待ちリロード時間を有効に使えるのではないか?と思ったりする。
TRUNK CAFEさんは、店長さんやお客さんたちのエピソードを生で感じられる素敵な想いから生まれている。待ち時間にそれを楽しみながら、自分がしたい支援があれば目を止めてもらいたいな。

その体験で双方がもっと楽しんでもらえたら嬉しいなと、お客ながら思うのであった・・・。

ちなみに、TRUNK CAFEさんの立ち上がりストーリーを楽しみたい方は
こちらを見てほしい。


最後に

この記事を最後まで読んでくださり、ありがとうございます。
最後まで目に付くということはあなたの人生にとって、今必要だから出会ったのだと思います。

僕はサービスデザイナーの定義を、自分の仕事の定義を常に考えます。
ただ、僕の持論なので関係者に怒られてしまうかもしれませんが、「関係者全員を見て、その人たちにいい体験を届けることが共通していれば、色々なサービスデザイナーがいてもいいのではないか」と思ってます。

僕は画面に閉じず、
人の気持ちや心を手触り持ち、言葉にできることでお金を払う価値のある体験を届けられるサービスデザイナーになりたいと思います。

そんな僕たちは、スポット選びの苦痛をなくす「pipot」を作ってます。
そして今日(2023/02/25)が、そのpipotのステルス誕生日になるのですが
事前登録者の皆さんに使ってもらえるようになるまでは、あと1〜2ヶ月お待たせしてしまいます。

あなたが場所選びが苦手なのであれば。
色々な場所に行くのを楽しんで生きているのであれば。
このサービスに触れて、あなたのスポットを思い思いに載せてください。

皆さんが、pipotを通じて人生の楽しみが少しでも増えることをメンバー全員で、心から楽しみにしてます。

事前登録は以下の、お問い合わせからご連絡ください。
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Watanabe Kei
基本無料で行っていますので、お金を取る気はありません。ただ気持ちがありましたら自由金額でお願いします。それはあなたが感じた価値を直接伝えて欲しいから。言い値って良いね。