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心電図が読みたい!<緊急な不整脈編>

対象読書:ミニマムに心電図について学びたい医学生、心電図を読んだ後の対応も知りたい医学生

佐藤弘明先生の「レジデントのためのこれだけ心電図」を読みました。心電図の波形を理解するのに必要な病態の説明。心電図を読んだ後の対応まで書かれていてとても実践的だなと感じました。

自分の勉強を兼ねてアウトプットとして記事を書かせて頂きます、本の内容を自分なりにさらに凝縮してまとめます。

今回は発見したら、指導医もしくは循環器の先生に報告、相談するべき不整脈を6つ紹介します。細かな相談のタイミングや対応が異なるので、そこを抑えましょう。

緊急な不整脈はこの6つ!!まずは大きく2つに分類!

緊急な不整脈は、3度房室ブロック2度房室ブロック洞不全症候群心房細動心房粗動発作性上室頻拍の6つです。

前半の3つは心拍数が遅くなる不整脈です。後半の3つが心拍数が速くなる不整脈です。房室ブロックと洞不全症候群は刺激伝導系での興奮の伝導に異常があります、異常の種類によって分類できます。心房細動と心房粗動は心房の異常な興奮です。興奮の種類によって分類できます。発作性上室頻拍は特殊な経路で心筋は興奮してしまう状態です。

1.3度房室ブロック

3度房室ブロックは房室結節で興奮の伝達が完全に遮断されています。したがって心房の収縮は一定間隔で起こるのでP波が見られます。心室はどうなるかというと補充調律によって収縮します。なのでQRS波も見られます。ただし、心房の収縮と心室の収縮が連動していないのでPQ間隔はめちゃくちゃです。緊急な不整脈の中では緊急度が比較的高いので、ルート確保と速やかに指導医または循環器医にコンサルタントを行います。

2.2度房室ブロック

2度房室ブロックでは、房室結節の伝導が伝わったり伝わらなかったりします。したがって、心房の収縮は一定間隔で起こります。そして、心室に伝導が伝わった時はQRS波が続きます。伝導が伝わらなかった時はQRS波は続きません。対応としては、意識とバイタルの確認を行います。異常があればルート確保したのちに指導医または循環器医にコンサルタントを行います。異常がなければ指導医または循環器医に相談します。

3.洞不全症候群

洞不全症候群では、洞結節の興奮が心房まで伝わりません。したがって、P波がみられません。また、心室にも興奮は伝導しないのでQRS波も見られません。しかし、P波もQRS波も続かない時間は長くは続きません。数秒間程度だと言われています。症状がある場合はペースーメーカーの適応になるのでキリがいいところで指導医または循環器医に相談します。

4.心房細動

心房細動では、心房の心筋がありとあらゆる場所で不規則に興奮しています。その全てが房室結節を通過して心室を収縮させるわけではありません。一部が心室まで伝わります。なので心拍のタイミングに規則性はありません。また、心房のめちゃくちゃな興奮はP波にはならずf波になります。対応は心房細動の経過によります。以前から心房細動の既往があり、症状がない場合は経過観察。頻拍や徐脈や症状がある場合は指導医、循環器医に相談。心拍数が正常で症状がない場合はキリがいいところで指導医、循環器医に相談します。

5.心房粗動

心房粗動では、心房のある特定の場所で規則的に興奮が起こっています。心房の興奮は300回と決まっています。心房粗動では心房の興奮が一定の割合で心室に伝導します。1:1伝導なら心室の収縮は300回。4:1伝導なら心室の収縮は75回になります。正常なPはなくF波という波が見られます。心拍が300や150なら意識、バイタルを確認しすぐに指導医または循環器医に相談。心拍数が100や75ならキリがいいところで指導医または循環器医に相談します。

6.発作性上室頻拍

発作性上室頻拍では、正常に心室まで伝わった心筋の興奮が異常な経路で心房に戻ってきてしまいます。これによって興奮の命令が繰り返されます。心房と心室が早く収縮を繰り返すのでP波もQRS波も見られます(あまりに心拍が早いとP波とQRS波が重なりP波が見られなくなります。)発作性と名前があるとおり、頻拍はずっとは続きません。息堪えを指導すると止まることもあります(実習中に質問したら、滅多に止まらないと先生が言ってました。)薬物療法や不安定の場合はカルディオバージョンが検討されます。

今回は以上です。次回は経過観察の不整脈を4つ紹介します。最後まで読んで頂いた方は本当にありがとうございます!!もしよろしければnoteのフォローやtwitterのフォローよろしくお願いします。



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