救急外来での鎮痛薬の使い方
救急外来では疼痛を訴える患者さんが非常に多いです。
適切な疼痛コントロールができると患者さんの利益となります。
以前は急性腹症の患者さんには外科の先生が腹部の触診をするまで鎮痛剤は使用を控えるようにしていたこともあったみたいですが、今では積極的な鎮痛剤の使用が推奨されています。
救急外来で1st touchをする先生は鎮痛薬の使用に精通する必要があります。
アセトアミノフェン
おそらく使用頻度がかなり高い鎮痛薬だと思います。
後述するNSAIDSと異なり腎機能を意識する必要がないので使用する先生も多いかと思います。
ただし、使用量やその他にも使用の際に注意するべき点があるので紹介します。
使用量に関してですが1日の最大容量は4000mg/dayとなります。
救急外来での処方でよく見かけるのが500mg/回で6時間以上あけて頓用で使用ではないでしょうか。
これだと最大限使用したとしても2000mg/dayとなり使用量が少ない可能性があります。
使用量が少なかったことが原因で疼痛コントロールができなかった場合、患者さんいアセトアミノフェンは効かなかったと誤った認識を与えてしまい、今後の処方薬の選択が困難となる危険性があります。
そのほかのアセトアミノフェンの使用の際の注意点は肝機能障害を引き起こす可能性がある点です。
1500g/dayを一定期間以上処方する場合は血液検査で肝機能異常を来さないか確認が必要であるが、救急外来での短期間の処方であれば長期間の投与とはならないので過度に肝機能異常を懸念する必要はないかと思われます。
NSAIDS
抗炎症作用があり、30分で効果が発現するため救急外来で頻用される鎮痛薬である。
副作用を理解して使用することが大事である。
代表的な副作用としては、腎機能障害、消化性潰瘍、気管支喘息発作などがあり既往歴や腎機能の確認が必要です。
また、NSAIDSを処方する場合は消化性潰瘍予防にPPIを一緒に処方するようにします。
私はロキソニンと一緒にランソプラゾール30mg/dayを処方するようにしています。ロキソニンと一緒にレバミピドを処方することもありましたが消化器内科の先生に聞いたらレバミピドでは消化性潰瘍を予防できている印象はないと仰ってました。
次回はアセトアミノフェンとNSAIDSが効かない患者さんに何を処方するかを記事にしたいと思います。