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血ガスが読みたい!<酸-塩基平衡編>

血ガスをみた時に、どの項目をどの順番で見るのか?→pH,PaCO2,HCO3-

たった2stepで代謝性アシドーシス、呼吸性アシドーシス、代謝性アルカローシス、呼吸性アルカローシスを判別できます。

次に、代償とアニオンギャップがわかれば混合性の酸塩基異常も見つけることができます。


対象読者

代謝性アシドーシス、呼吸性アシドーシス、代謝性アルカローシス、呼吸性アルカローシスを判別したい人。さらに一歩進んで混合性の酸塩基異常を発見できるようになりたい人。

酸塩基平衡って難しいですよね、特に代償とかの話が出てくると訳が分からなくなってきますよね。僕もそうでした。しかし、少し勉強してみると代償の話が出てくる前に代謝性アシドーシス、呼吸性アシドーシス、代謝性アルカローシス、呼吸性アルカローシスを判別することは可能なのです。

だから、今回は難しい話が出てくる前に代謝性アシドーシス、呼吸性アシドーシス、代謝性アルカローシス、呼吸性アルカローシスを判別できるようになっちゃいましょう。まじで一瞬でわかるようになりますよ(笑)

そのあとで、さらに一歩進んで混合性の酸塩基異常を見つけられるようになりましょう。この段階で始めて、代償であったりアニオンギャップの話が出てきます。順序よく勉強すると混乱しません。

たった2stepでアシドーシス、アルカローシスを読む

まずは、たった2stepで代謝性アシドーシス、呼吸性アシドーシス、代謝性アルカローシス、呼吸性アルカローシスを判別しましょう。まだこの段階では代償、アニオンギャップは出てきません。

1step目はpHの値でアシデミアかアルカレミアかを判定します。基準値は7.4です。余裕がある人は7.35~7.45が正常範囲内であると覚えましょう。7.35以下ならアシデミア、7.45以上ならアルカレミアです。

2step目はPaCO2を見ます。まず覚えておいて欲しいことがあります。人は死にかける時必ずアシデミアになります。呼吸が原因で死にかける時は呼吸が少なくなってPaCO2が上昇しています。ここを覚えると、それを基準に全部覚えることができます。

まずは、1stepでアシデミアだった場合を考えます。PaCO2が上昇していたら、呼吸ができてなくて二酸化炭素を吐けてないことになります。だから呼吸性アシドーシスなのです。アシデミアなのにPaCO2が上昇していなかったら他の原因があります。この時は代謝性アシドーシスを考えます。

次に、1stepでアルカレミアだった場合を考えます。アシデミアの逆なのでPaCO2が低下していたら呼吸性アルカローシスだし、PaCO2が低下していなかったら代謝性アルカローシスになる訳です。どうですか簡単でしたか??

これじゃ物足りない!という方に

上記の4パターンを判定するだけじゃ物足りない方も多いと思います。ここからは代償やアニオンギャップを理解して混合性の酸塩基平衡異常を見つけられるようになりましょう。

まず代償を理解しましょう!この時初めてHCO3-を見ます。

代償が計算通りにされていなかったら混合性の酸塩基平衡異常を疑うことができます。

人間の身体は酸塩基平衡異常があった時、黙って見過ごしているわけではありません。少しでもpHを正常範囲内に戻そうと努力します。これが代償です。戻す方法は2つあります。肺での調節と腎臓での調節です。呼吸性の酸塩基平衡異常では腎臓が、代謝性の酸塩基平衡異常では肺が調節してくれます。(だったら腎性アシドーシス、腎性アルカローシスの名前の方がいいのに。。。)

まずは代謝性の酸塩基平衡異常を見ていきます。代謝性アシドーシスはHCO3-が減ります。その分の調節は肺がします。具体的にはたくさん呼吸をすることで二酸化炭素を捨てます。代謝性アルカローシスはその逆です。

では、具体的にどれぐらい調節されていればオッケーなのでしょうか?代謝性アシドーシスでは重炭酸イオンが低下します、それを代償するために換気を上げて二酸化炭素を肺から捨てます。重炭酸イオンが1mEq/L下がったら、PaCO2が1.2mmHg下がります。

逆に代謝性アルカローシスの場合、重炭酸イオンが1mEq/L上昇したらPaCO2は0.7mmHg上昇します。

次に呼吸性の酸塩基平衡異常に対しては腎臓が代償を行います。腎臓の調整は肺での調節に比べて時間がかかります。なので急性の場合は代償が追い付かないので代償の程度は小さいです。慢性の経過になるとしっかり代償され始めます。

呼吸性アシドーシスではPaCO2が10mmHg上昇したら急性の場合1mEq/L、慢性の場合は3.5mEq/L代償されます。呼吸性のアルカローシスでPaCO2が10mmHG低下した場合、急性なら2mEq/L、慢性なら4mEq/L重炭酸イオンが低下します。

最後にアニオンギャップ!

最後にアニオンギャップです。まず最初にアニオンギャップを求める目的ですが、それは代謝性アシドーシスの鑑別です。つまり代謝性アシドーシスを見つけた時だけ計算すればいいのです。(実際はpHが正常な時も計算するべきですが、今回は割愛)アニオンギャップは正常か増加の2パターンです。正常な場合は下痢、遠位尿細管性アシドーシス、大量輸液、アセタゾラミド投与が考えられます。

アニオンギャップが増加するパターンは、乳酸アシドーシス、ケトアシドーシス、腎不全、アスピリン中毒が考えられます。

最後に計算式ですが、

アニオンギャップ=ナトリウムイオンー重炭酸イオンー塩化物イオン

になります。今回は以上です。最後まで読んで頂いた方は本当にありがとうございます。もしよろしければnoteのフォローやtwitterのフォローよろしくお願いします。






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