見出し画像

施工管理のリアル——突貫工事の壮絶な日々

建設業界の中でも特に激務と言われる施工管理。
その中でも突貫工事は、通常の施工スケジュールを大幅に短縮して工事を進める、まさに地獄のようなプロジェクトだ。
今回、実際に経験した突貫工事のリアルを綴る。

突貫工事の始まり——無理ゲーのスケジュール

ある日、上司から突然呼び出され、こう告げられた。

「この工事、納期1ヶ月短縮な」

ふざけるな、と思ったが、現場では「無理です」は通用しない。
現場代理人と共にスケジュールを組み直し、各業者との調整に走り回る日々が始まった。

とはいえ、ただでさえタイトなスケジュールを1ヶ月も短縮するのは尋常じゃない。

地獄のスケジュール調整〜人海戦術と夜勤の連続

まず問題になるのは職人の確保。
通常であれば各業者が順番に入って作業を進めるが、突貫工事ではそんな悠長なことは言っていられない。
• 内装工事と電気工事を同時進行
• 型枠大工と鉄筋工が同じフロアで作業
• 昼間の作業に加えて、夜間工事を導入
結果、施工管理は昼も夜も働くことに。

睡眠時間は2〜3時間。
休憩時間も取れず、食事はコンビニ飯をかき込む日々が続く。

トラブルの連続——まさかの材料不足と設計変更

突貫工事では、何か一つでも遅れれば全体が崩壊する。
そんな中、発生した想定外のトラブルがこちら。
① 材料が間に合わない
発注済みだったはずの資材が、物流の遅れで届かない。
「○日までに必要です!」とメーカーに詰め寄るも、回答は「無理です」の一点張り。
急遽、他のメーカーから類似品を探し、設計変更の承認を取り付ける。

② 設計変更の連発
現場が進んでいる中で「ここ、やっぱり変更!」と設計側からの指示。
今さら変更するなと言いたいが、言っても無駄なので泣く泣く対応。
業者に連絡し、図面を修正し、追加の手配をかけ、関係者に周知する。
この間、休む暇などない。

引き渡し前夜——不眠不休のラストスパート

突貫工事の終盤戦、施工管理が最も追い込まれる瞬間がやってくる。
「明日、竣工検査なのにまだ終わってない…!」
全員がギリギリの精神状態の中、職人さんたちと共に徹夜で作業。
仮眠すら取れず、気づけば朝6時。
フラフラの状態で検査準備を整え、なんとか間に合わせる。

突貫工事を終えて——施工管理の過酷さ

こうして無事に工事は終わったが、施工管理の疲労は限界突破していた。
1ヶ月の突貫工事で、
• 体重は5kg減
• 睡眠不足で意識が飛びそうになる
• 精神的にもボロボロ

しかし、完成した建物を見た瞬間、ふと達成感がこみ上げた。
「やり切った…」
そう思うのも束の間、次の現場がすでに待っているのだった。

施工管理を目指す人へ

施工管理は、間違いなく激務。
突貫工事になれば肉体的にも精神的にも極限状態に追い込まれる。
それでも、
• 自分が管理した建物が形になる喜び
• 職人さんたちと共にやり遂げる達成感
は、他の仕事ではなかなか味わえないものだ。
もしこれから施工管理を目指すなら、
覚悟を決めて飛び込んでほしい。

ただ最近は突貫工事はあまり見なくなったので
業界的にも今後よりホワイトになり働きやすくなるだろう。


筆者プロフィール
かんた|施工管理1年目
愛知県出身。住みやすい街が大好きな施工管理職。
建設業界のリアルや、建築の面白さを発信しています。
✅ 施工管理の仕事の実態
✅ 建築・住宅の魅力
✅ 資格取得の勉強法
建築好きな方、施工管理に興味がある方、業界の裏側を知りたい方へ。
フォローして、一緒に建設業の世界を覗いてみませんか?コメントで交流しましょう!
🏗 施工管理のリアルを発信中

いいなと思ったら応援しよう!

かんた〜施工管理職〜
よろしければ応援お願いします! いただいたチップは建設業が盛り上がるイベントを開催する費用に使わせて頂きます!