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映画「ルックバック」観てきた

新宿バルト9で当日チケットを購入。
直近の上映時間のチケットは、ほぼ完売。
仕方なく夕方の時間帯にした。

休日の新宿はとても賑わっており、行きたかったカフェには列ができていた。時間を潰すことに苦労したが、おかげで沢山歩けた。

そんなこんなで少し早めにバルト9館内に入ると、カフェが併設されていた。初めからここに来ればよかったなぁ、と少しだけ後悔。

ルックバック。前からずっと観たかった。

原作は未読。ネタバレも踏んでいない。
ただ、「上映時間が短め」「アニメーションのクオリティが凄い」ということは小耳にしていた。

原作が出てから、一時期とてつもなく話題に上がっていたから、「これはいつか映像化されるだろうから、あえて読まないでおこう」と言う選択をした、当時の自分を褒めてやりたいと思った。

飲み物もポップコーンも買わず、トイレを済ませて、万全の体制で5番シアターに入る。F列の席に座る。隣は同世代の男性だろうか、少しソワソワした様子だった。

公開予定作品の予告や、お馴染みの映倫が流れ、いよいよ本編スタート。

⚠️ネタバレ大ありです。全部書いてたらキリがないので、印象的だったシーンについて書いていきます。


冒頭、満月に焦点が向けられ、クルクルと回転しながら下降する。少しずつとある家の一室に近寄っていく。主人公の「藤野歩」の部屋だ。

彼女は4コマ漫画を描いていた。
この時の後ろ姿、かなり長尺映されていた気がする。「え、長くないか?」って思うくらいに。

4コマ漫画のキャラが喋りだした瞬間、男性キャラの声優が森川さんであることに気づいた。森川さんここでも死んじゃうのかぁ、、と思ったのは、私だけじゃないはず。少し笑いをこらえた。


藤野が教室で、京本が描いた4コマ漫画を初めて見たシーン。緊張感あってすごい良かった。「放課後の学校」っていうタイトルが良いよね。てか、この時点で既に「背景」描いてるのね。


藤野が京本に卒業証書を届けに行き、部屋の前で慌てて照れるシーン。初めて頬を赤らめ、テンパっている様子が小学6年生らしかった。

京本が初めて出てきて、「藤野先生!」って猛アプローチするシーン。すんごいモゴモゴした口調と素振りで、コミュ障のリアルを演出。作画の丁寧さと声優さんの演技力に脱帽。ここで見栄を張る藤野、最高。サインペン自分で持ってて偉いなってなりました。

この後雨が降ってきて、田んぼ道を超上機嫌で走って帰る藤野。正直このシーンが1番刺さった。
敵対視していた相手が自分のファンで、さすが私!ってなるよな、分かるわぁ、共感した。

水溜まりを蹴ったり、わざと突っ込んだり、ちょっと変なスキップしてみたり、周りに誰もいないからこそ、自分のあるがままを出せる。もっと自由でいいんだ、私らしくいこう。そんなことを考えている風に見えた。
カメラ視点も作画も音楽も、とにかく凄かった。


準佳作の賞をもらって、そのお金で2人で街に繰り出すシーン。常に藤野が京本の手を引いている描写が綺麗だった。

漫画を書いている時も、歩いている時も、走っている時も、京本は藤野先生の背中を追いかけていた。常に背中を目にしていた。ルックバック。。


2人とも高校生になり、京本が美大に行きたい、と告白するシーン。今までになかった空気感で覆われた気がした。2人の歪んでいく表情に、こちらも思わず顔を歪ませてしまった。この時、藤野は相当焦っただろうな。前からある程度は気づいていただろうし、敢えて言い出したりはしてなかったんだろうけど。


美大がニュースで取り上げられ、それに気づいた藤野が慌てて電話を手に取るシーン。セリフ無しでここまで視聴者に情報を与えられることに感動した。母からの電話を聞いた後の藤野の絶望的な表情が忘れられない。チェーンソーマンを観た時も思ったが、藤本タツキ先生は「キャラクターの絶望的な表情」を描くのが上手すぎる気がする。

藤野が京本の部屋の前で、当時自分が即興で描いた4コマ漫画を見つけ、自責の念に駆られるシーン。そんなことないよ、京本は絶対嬉しかったと思うよ、と、1視聴者にも関わらず口を挟みたくなるくらい感情移入していた。不思議な感覚だった。

ここからの時間を遡って、京本生存ルートと現代が繋がる演出は、流石に神がかっていたと思う。京本が描いた4コマ漫画が部屋の外に出た後、現代に戻されて、座り込んでいる藤野の元へ。音楽とか作画での、明暗の切り替えが凄い。暗さが際立っている気がした。

京本の部屋に入った所からラストシーンまでは、とにかく圧巻だった。読者アンケートに答えていたであろう形跡や、同じ巻を何冊も買っている様子から、重版が出る度に購入していたことが伺えた。そして、扉には、あの日背中にサインした服が掛けられていた。
京本は藤野の1番の友達であり、同士であり、ファンだったのだ。


脚本・演出の素晴らしさ、ストーリー構成、作画・アニメーション、音楽、声優さんの演技、どれをとっても文句なし。素晴らしかった。

いい作品に出会えました。
入場特典のネームも3周しました。

この作品に携わってくださった全ての皆様に感謝を。ありがとうございました。

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