生産性。
昔、好きだった人に言われたことがあって、心に引っかかった言葉。
生産性ってなんだろう。
ビジネスな人間関係での生産性なら分かる気がする。なるべくなら効率良く仕事をしたいし有意義な時間を過ごしたいもんね。
でも自分にとって大切で大切で仕方なくて
いつも心のそばにいたいと思う人との関係に
生産性って求めるものなのかな。何度も何度も同じことで話し合ったら駄目なのかな。
それって…そんなに無駄な時間なのかな。
☆
アルコール依存症の女性と何年か同居した時のこと。
毎晩毎晩シャンソンのミロールをリピートし続け、酔いの始めは子供のように甘えては駄々をこね、深酒が進むと次に現れるのは暴力的な人格だった。
リビングで寝ちゃったなーと思って私も寝室で寝ていたら叩き起こされたことは何度もあったし、もう眠いのにミロールを大音量で聞かされること、物を投げられることも怒鳴られ罵られることも日常茶飯事だった。
でも、大切な人。だったんだ。
冷たいかも知れないけど私が何かしてあげられることなんて無いと思っていたから、ただひたすらそばにいよう、そう決めてた。
ひとりにしたらどこかにいっちゃいそうだったから。
どこかにいっちゃうのが怖くて勝手にそばにいたのは私なんだけどね。
いつの頃からだろう。いつからかなんてもう分からないほど毎晩同じことの繰り返しだったから覚えていないけど、気付いたらお酒の量が1日缶チューハイ1本になってた。
ここまで来るのに時間はかかったけど子供の人格も暴力的な人格もしばらく出てきていなかった。
弱っている人に心に深い傷を抱えている人に「しっかりしろ。強くなれ。」と言う言葉がいかに無力か。(もちろん時に強い言葉が必要な時もあるのかも知れないけど)
人は大切にされることで愛されることで、ひとりじゃないと思えることで、自然と立ち上がる。立ち上がれる。
そう信じてる。
大切な人との時間を"生産性"という言葉で判断することが私にはどうしても出来なかったな。
生産性のない時間を無駄だと私は、私はね、思えなかったし、きっとこれからも私の大切な人たちに対してそう思うことは無いんだろうな。
何があっても、大切な人だから。
私が好きだったあの人は私との価値観の違いが許せなくて離れていってしまったけど、自分とは異なる価値観を否定することでしかプライドや自尊心を守ることが出来ない人だったのかも知れないな。
違う誰かを否定することで自分を慰めなければ自分がいたたまれなかったのかも知れないな。
誰よりも劣等感の塊を心に抱えている人だったのかも知れないな。
価値観についてはまた書こうかな。
じゃ、またね。
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