久しぶりのお出かけ
「うちのダンナ、外面はいいから」
何気なく言った一言にツッコミが入った。
「それって、DVなんじゃない?」
いや、DVってことじゃなく、単に外面がいい、ということなんだけれど。
家で愚痴しか言えない内弁慶なんだけれど。
そう言おうとしたが、相手には心配をしてもらった。
「外出止められたりしない? 金銭大丈夫? 家で好きなことできる?」
いや、大丈夫です。こちらの気が強くて、こっちが相手を尻に敷かないか気をつけなければいけないくらいで。
釈明したけれど、なかなか信じてもらえない。
外面がよすぎるのは私のほうか。
なにはともあれ、旦那は放任してくれている。外出も、引きこもり気味の私にもっと出るように促してくれるくらい。
心配してくれる相手を説得して家に帰った。
家で投票に行く準備をしていたら、仕事から帰宅した旦那が開口一番。
「今週荷物届くから」
ストレスで買い物しちゃったよわっはっは、ってさ。
こっちは選挙に行くぞ、行って、町でおいしいものを食べるんだ。買い出しして、本屋さんもいくぞ。経路も練って楽しみにしていたのに。
知らん。
郵便局に自分で行きたまへ。宅配屋さんに自分で再配達を頼みたまへ。
言い放ちはしたが、律義に早朝出て、まっすぐ帰宅してしまうのはなぜ。
郵便事情が最悪だった某国在のトラウマのせい?
鼻先まで来て、気を抜いた瞬間に消えてしまった小包がいくつあったことか。
行きはヨイヨイだったが、帰りは電車が止まり気味。この地方ではよくあることで、乗客も多少ソワソワするが騒ぎはしない。
騒がず路線バスの時間をチェックしていたりする。
こうなると途中下車して遊ぶより、いかに家に帰りつくかのゲームモードに入ってしまう。
列車を降りてバスに乗り換え、通常予定時間+30分で帰宅できた。
けれど郵便屋さんはすでに通過し、郵便受けに薄い物が二枚入っていた。
もっと遊んで帰ればよかった。