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森川圭介/小説
2024年8月25日 16:36
#1ルビー・サファイア 鬱々とした曇り空を見上げた。ため息が吸い込まれていく。学生を横目にトレーを席に運ぶ。この辺りではここにしかないってのもあるが、ここのファーストフード店はいつも賑わっている。ハンバーガーを口に運ぶと、何も考えていなかった学生時代を思い出す。この春、就活に失敗した。お祈りメールを何通もみた。◯人と聞いて何を思い浮かべるだろう。俺は凡人だ。どこまで行っても凡人に