食べさせてあげたい気持ちと食べてしまいたい気持ちの狭間
こんにちは。
わたしは、プリンが好きです。中でも、小さい頃におじいちゃん家に届くお中元やお歳暮でいただいていた缶詰めのプリンが好き。なんとも懐かしい味がするやつ。メーカーとか知らないけど、あの固めのやつ。分かってくれる人、いるかしら。
さて、娘はプリンよりもゼリー派。中でも、みかんゼリーが好き。あまり頻繁に登場しないので、「今日は、みかんゼリーあるよ」と言うと、文字どおり『ヤッホーい!』という顔をして全身で喜んで食べる。
昨日は、たまたま気が向いて買ったヤツが冷蔵庫に入っていたので、夕食後に「食べる?」と聞いたら、ふたつ返事で食べることになった。ついでに、わたしにも分けてくれると言うので、ありがたく3分の1ほどをお皿にもらって、一緒に食べた。
食べ進めるうちに、「パパにも食べさせてあげたい」と言い出した。「やさしいねー」なんて声をかけていたのだけど、そのあと、やはり全部自分が食べたい欲も出てきてしまったらしい。
残り少なくなったとき、「ここに置いとこうっと」と、食欲を逸らせるように、離れたところにゼリーを置いた。でも、やっぱり全部食べたい様子。うらめしそうに、遠ざけたゼリーを眺めながら「パパ、食べたら嬉しいって言うかな?」と訊いてくる。その顔には、わたしに「パパは、いらないんじゃない?」と言って欲しいと書いてある。
うんうん、わかるよ。食べさせてあげたいと自分が言った手前、なかなか後には引けない感じ。でも、食べたいよね。
そんな気持ちを汲み取って、「パパは、残しておいてくれようとしただけで嬉しいと思うから、娘ちゃんが食べたいなら、食べたらいいよ」と提案してみた。
すると、それはそれで嫌だという、あまのじゃく。「だから、パパ食べたいと思うんだよね!」と、なんだかプンスカ怒っている。
すったもんだの末、結局ぜんぶ自分で平らげた娘。食べさせてあげたい気持ちと食べてしまいたい気持ちの狭間で、ひねり出したのは「またいっぱい買おう」という親の財布頼みの打開策だった。なんと末恐ろしいこと!
でも、美味しいものを食べて、その嬉しい気持ちを誰かと分かち合いたい、食べさせてあげたいという気持ちを持ってくれている娘に、成長の一端を感じています。