自戦記―第一回神帝戦第2回戦
まえがき
久しぶりの自戦記です。
今回はダブルエリミネーション大会神帝戦*、keita0705三段(当時)との対局を振り返ります。
対局にあたって
事前調整のある大会だったのですが、如何せんまるまる一週間体調を崩していたためほとんど準備らしい準備はできていませんでした。対戦相手の方はオールラウンダーで対振りも対抗形・相振りどちらも指される方のようだったので、早々に「ヤマを張る」ことは諦めます。
序盤
自身は後手番、非常にオーソドックスな駒組みから持久戦型対抗形となり、先手は居飛車銀冠、後手が振り飛車銀冠穴熊へと進行します。
ここが序盤の分水嶺となりました。ビッグ4にせず7三の地点が空いている場合、5一→7三と角を回す手が生じます。この際居飛車側が角道を開けさせるべく☗4六歩と突くと一手早くこちらの角が相手の飛車に当たるため、多少振り飛車側に天秤が傾く手筋です。
中盤
諸々やり取りがあり、桂得・馬あり・玉形よしと指しやすい形となりました。この時点で残り時間はこちらの方が多少残している状況で、割と理想的な展開だったと言えます。
以下☗2三飛車成☖5七と☗7七金☖6八と☗6三全と進行し
今回胆力不足だったと反省した局面の一つがここです。本譜では☖6七金☗同龍☖4五馬となりましたが、実際には先に☖4五馬と攻める手がありました。ここに☗7二全は☖5五馬で将棊が終わってしまうので、確かにもう一歩自分から踏み込んで良い局面でした。何にせよ、ここで☖6七金と進行したことで中終盤のゲームプランは受け切りを狙うこととなります。
終盤
見えていなかった手があったのがここのタイミングです。本譜ではここから☖同馬☗5二飛打☖7三馬☗6四角打☖同馬(!)という大悪手へと進みます。
ついつい手なりで取ってしまいましたが、これは☗同歩と素直に抜かれると(一応ソフト的には☖7九銀と反撃する手があるらしいん*ですが、素直に考えると☖7三銀あるいは☖8三金と凌ぐくらいしかなく、これだと+2000近い大劣勢となってしまいます(その直前☗6四角打時点では-2000前後)。
本譜では結局☗7二飛成という進行になりましたが、残り時間が怪しかったところもあり受け損じに受け損じを重ね、一時は大分厳しい状況となりました。
こちらに戻って考えると、正解は☖7七金と攻める手だったようです。以下☗同金☖8九金でほぼほぼ受けられない形になります。相変わらずこういう駒損して踏み込んでいく手を探せない悪癖が出た感じですね。
最終的にはその後泥仕合を経て、1時間オーバー192手でなんとか勝利となりました。
振り返り
いくら受けてる方が楽しいからと言っても、ちゃんと反撃するべきところでしないと負ける、ということを再認識する必要がありそうです。いや、まあそんなのは百も承知なのですが、リスクのある攻めの手を探すのが本当に苦手で……