映画紹介#005「マッドマックス 怒りのデス・ロード」(2015)前編
友人に(ほぼ)週一でおすすめ映画を紹介しています。
前回の作品はこちら。
今回の作品はこちら。
プライム会員は無料で観れます。(2022/08/30まで!)
『マッドマックス 怒りのデス・ロード』(2015)
監督・脚本・製作:ジョージ・ミラー
出演:トム・ハーディ、シャーリーズ・セロン、ニコラス・ホルト、ヒュー・キース・バーン、ロージー・ハンティントン=ホワイトリー、ライリー・キーオ、ゾーイ・クラヴィッツ他
前回紹介した作品とは打って変わって、ザ・エンターテインメントな映画です!全体的に刺激強めです!
日常を忘れて、勢いで楽しめること間違いなし。
大きめの画面で、ヘッドホンなど使って良い音で観ると、
より一層作品世界に入り込めます!
監督・脚本はオーストラリア出身の映画製作者ジョージ・ミラー。
1979年公開の『マッドマックス』で長編監督デビュー。
(『マッドマックス』は実はオーストラリア映画)
世界的な成功を収めて、主人公マックスを演じたメル・ギブソンを一躍スターダムに押し上げた。1981年と1985年には続編が2本製作された。
今回紹介する『マッドマックス 怒りのデス・ロード』は、30年ぶりのシリーズ第4作目。
その他の代表作に、こぶたが主人公の『ベイブ/都会へ行く』(1998)、ペンギンが歌って踊る『ハッピーフィート』(2006)などがある。
『マッドマックス』と違ってなんだか可愛らしい映画が多い(笑)
【見どころ① 画力の強さ】
「マッドマックス」シリーズの見どころは何と言ってもド派手なアクションシーン。30年の間に進化した映像技術の力も相まって、スリリングで、力強く、そして美しい。
生身のアクションを支える形でCGが活用されているので嘘っぽさがない。
独特の衣装や乗り物のパンクなビジュアルも見ていて面白い。
個人的には今作の「色使い」が特に好き。
褐色に染まる荒野と、空の藍とのコントラスト。
燃え上がる炎はくっきりと強いオレンジで、夜の闇は、不気味なブルー。
泥だらけのヒーローと白い戦士たち。
アクセントカラーのように目を惹く女性たちは光を放つ。
サイレント映画としても成立しそうなほど、映像で物語を語っている。
【見どころ② キャラクター】
「マッドマックス」シリーズは一貫して主人公マックスの活躍を描いている。これまでの3作品ではメル・ギブソンが演じてきたが、今作ではイギリス出身の俳優トム・ハーディが役を引き継いだ。
初代も2代目も同一人物という設定だが、過去作の出来事がストーリーに大きく関わることはないので、新生マックスの新たな冒険として今作からでも十分に楽しめる。
その他、見るからにラスボスな悪役イモータン・ジョーや、彼が従える戦闘集団ウォーボーイズ、別の組織を率いる人食い男爵や武器将軍などクセの強いキャラクターが数多く登場する。というかクセの強い人しかいない。
【見どころ③ 女性と英雄の旅】
今作でマックスと並んで活躍するのがシャーリーズ・セロン演じる女性戦士フュリオサ。
フュリオサが辿る旅路からは「千の顔を持つ英雄」で知られる神話学者ジョーゼフ・キャンベルの発見した神話構造をハッキリと読み取ることができる。
そういう意味では、この映画は彼女の物語と言っても過言ではないと思う。
「マッドマックス」と聞くといかにもマッチョな映画という感じがするが、フュリオサをはじめとする女性キャラクターの活躍は今作の要となっている。
しなやなで力強い女性の解放を描くあたりが、2015年頃の時代性を象徴しているようにも思う(スター・ウォーズに初めて女性主人公が登場したのも2015年公開の『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』)。
今では女性キャラクターが主体的に活躍する作品や、女性監督によるアクション映画が数多く作られるようになってきているが、その流れがようやく出始めた時期がこの頃。
ちなみに現在、フュリオサを主役にした新作「Furiosa」の製作が進行中。
ということで、緻密に作り上げられた世界観やキャラクターのバックグラウンドをもっと詳細に深掘りして行くことも可能な今作ですが、個人的にはあんまりよく知らないので紹介はこの辺りまで。
細いことはさておき、とにかく2時間ノンストップに楽しんでもらえたらと思います!
後編に続く。
P.S.
PrimeVideoの配信では本編終了後、特典映像として未公開シーン集が収録されています。個人的には、これは蛇足かなと思いました。
(逆に言うと本編の完成度がとても高く余計なものが一切ないということ)