「狂気と笑顔の発酵ラーメンフルコース / Young Ivan Pop up at Ramen FeeL
一つの情熱が進化するスピード――
その鮮烈な光をリアルに感じたのは初めてだった。
彼が着ているぶかぶかのTシャツが
その進化の軌跡を物語っている。
彼の名はアイバン。24歳。
出会ったのはほんの半年前のことだった。
その時から15キロ以上の体重が落ちている彼だが、それ以上に手に入れたものがある。
深く、鮮度の高い知識と技術。
そしてある意味、
狂気とも言える日本のラーメン文化の体験。
今日は、そのすべてが一品一品の料理となり、
ラーメンとして繋がり、披露される日。
しかし――
彼は明らかに我々のカメラに苛立っていた。
<オープニング映像>
<アイバンの朝礼スピーチ>
追い込まれている職人の取材は
一筋縄ではいかない。
距離感を間違えれば、
築き上げてきた信頼関係が壊れ、
その瞬間に全てが終わる。
そのギリギリの映像こそが
ドキュメンタリーの真骨頂でもある。
我々取材チームは、
広大なRamen FeeLのスペースをフルに使いながら、彼を支える渡邊店主、ユカさんのサポート、
そしてジェフに守られ、ゆっくりとアイバンに近づいていく。
アイバンの最大の魅力――
それは異文化への理解力と圧倒的な適応力を前提とした「人の心を掴める」とびっきりのキャラクター性。人柄である。
この日の彼のために、
仲間たちが届けた特別なドリンク、
特別に仕入れられたワインが揃った。
ここは紛れもなく彼のホームだ。
彼はすでに勝負に勝っているとも言えるが、
大切な写真を丁寧に飾り、さらに覚悟を決め、自分を追い込もうとしていた。
多大なリスクを背負い、
テキサス仕込みの強烈な一撃を、
ラーメン界に叩き込むつもりなのだ。
しかしリスクの多くは、
渡邊店主の手によって事前に粉砕されていた。
我々はそれを知っている。
特に渡邊店主が作る自家製麺は
先週のイベント時のある発見により
さらにクオリティを増していた。
青梅ブルーに染め上げられたFeeLの暖簾。
少し照れくさそうに礼をすると
彼はすぐに厨房へ入って行った。
<ナレーション原稿take01 & イメージコンテ>
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