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奇跡の人 ヘレン・ケラー自伝 - 感想・引用

著者プロフィール: ヘレン・ケラー
著述家、社会福祉事業家。1880(明治13)年、米国生れ。熱病のため、一歳で聴覚と視覚を失ったが、七歳からアン・M・サリバンによって教育を受け、十九歳でハーバード大学ラドクリフ・カレッジに合格。三重の障害をもって大学教育を終了した世界最初の人となった。全米および海外各地で講演を行い、福祉活動に貢献。三度の来日を果たし、1948(昭和23)年には身体障害者福祉法制定の動きに影響を与えた。『奇跡の人 ヘレン・ケラー自伝』の他に“Midstream:My Later Life"“The World I Live In"などがある。

奇跡の人 ヘレン・ケラー自伝 (新潮文庫)

今回の記事は、小さい頃に全盲・全聾になったのにも関わらず強く生き、全世界で講演活動、福祉活動を行なったヘレン・ケラーの自伝です。

この記事では、本の要約をするのではなく、輪読会を行うにあたり、私が読んだ感想や本からの学び、一部引用を紹介するものです。輪読会用のメモなので、一般的な記事のようにきちんと整理されているわけではないのでご了承ください。

感想

  • 最初、何をした人なのかわからなかったけど、盲者・聾者のために講演・活動をした人だったのか。

    • この本は22歳の時の本。

  • 1歳で視覚・聴覚を失いながら、言葉を覚えて、5つもの言語を話せるようになったのがすごい。

    • ハーバード大学にも行っている。

  • 感情というか言葉の表現がすごい。

    • 健常者にとっては当たり前なのだが、普段当たり前だと気付けないものが多い。

    • 言葉が存在するというのに気づいて、サリバン先生の助けもあって、どんどん世界をマッピングしていく。

    • 人形がドールという言葉で表すことができるというの

  • 演劇を見て楽しむというのはどういうことか。

    • 美術や大自然でも感じるらしい。

  • 意外に読書に目覚めるのが遅い。大学生の時。

    • ただ、本格的に読書を始めてからは本の虫だったよう。

    • 読書にのめり込んで、次に次にと本を読んでいくというのはとても共感するところがあった。

  • サリバン先生

    • 献身的。

    • 自身が目が見えないというのもあって、ヘレンにずっと教えてくれる。20年の付き合いがあったよう。すごすぎる。

  • ベル博士との繋がり

    • ベル博士の自伝を読んでみたくなった。

    • 母と妻が目が見えない人で、そこから電話が作られた。

引用

「ヘレン、普遍的な宗教はひとつしかない。それは『愛」』という名の宗教だ。心と魂の奥底から、天なる父を愛しなさい。神の子どもすべてを全力で愛しなさい。そして、善の力は悪の力よりも強いのだということを忘れないように。そうすれば、天国の鍵はあなたのものだ」

教師であれば、生徒を教室へ連れて行くことはできるだろう。けれども、必ずしも勉強させられるわけではない。生徒が自ら進んで勉強するためには、勉強中も休憩中も、「自由」は自分の手の中にある、と感じなければならない。そして、自ら勝利の喜びと敗北の失望感を味わってはじめて、嫌いな課題でも本腰で取り組み、単調な教科書の勉強も、勇気を持って楽しくやり抜こう、と決心できるのだ。

人間の中には、本能的な思いが渦巻いている。文章を書くときの最大の苦労は、その混乱した思い、中途半端な感情や考えを、「理性のことば」で表現することにあると思う。ものを書く行為は、難解なパズルを組み立てていくようなものだ。頭の中には、あるイメージがあり、それをことはで表現したいと思う。しかしことばというピースが、うまくパズルにあてはまらない。あるいはうまくはまったとしても今度は模様がちがうー。それでも私たちは挑戦をやめない。すでに成功した人たちがいることを知っているからだ。あっさりと敗北を認めるわけにはいかないのだ。

本格的に読書を始めたのは、はじめてボストンに行った時だった。パーキンス盲学校で、図書室へ毎日入室してもよいという許可が出た。書棚の間をさまよい、手に触れた本は何でも読んでいいというのだ。とにかく無我夢中で読んだ。十語のうち一語、あるいは一ページの中で二語しかわからなくてもかまわない。印刷されたことば自体に魅了されたのだ。しかし、何を読んでいるかは気にも留めなかった。それでも、この頃の私の頭はスポンジのように柔軟だったから、意味もわからないのに、たくさんの単語を吸収し、文もまるごと覚えてしまった。その後、話したり書いたりできるようになってから、その時覚えた単語や文が自然に頭に浮かんできた。

博物館や美術品店へ行くのも、私の喜びと刺潡の源泉だ。目が見えない人間が、手で触れただけで、冷たい大理石の中に動き、感情、美を読み取れると聞いて、不思議に思う人も多いだろう。それでも、偉大な美術品に触れることで、私が心からの喜びを得られることは事実なのである。指先で輪郭や線をたどっていくと、芸術家が描いた思想と感情が伝わってくる。

ベルの母親も妻も、耳が聞こえない聾者だった。ベルは、結婚に際して、設立したばかりの「ベル電話会社」の株を、わずか十株だけを残し、すべて妻に譲ったという。巨万の富を生むことを約束された株である。

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