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星野リゾートの教科書 - 感想・引用

著者プロフィール: 中沢靖彦
1966年生まれ。慶応義塾大学経済学部卒業。新聞社記者を経て日経BP社に入社。「日経ビジネス」記者などを経て、現在、「日経トップリーダー」副編集長。

星野リゾートの教科書

今回の記事は、星野リゾートの星野佳路社長の本です。軽井沢の小さな旅館から日本各地でリゾートを手がけるようになった星野リゾート飛躍の背景には、勉強家である星野社長とその愛読書、経営での実践方法がありました。

この記事では、本の要約をするのではなく、輪読会を行うにあたり、私が読んだ感想や本からの学び、一部引用を紹介するものです。輪読会用のメモなので、一般的な記事のようにきちんと整理されているわけではないのでご了承ください。

感想

  • 教科書通りに、うまく行くまでやることの大切さを教えられた。守破離とあるが、それを地で行くようなスタイルだと思った。


  • 個人的に何か活かせそうなサービスの例は、カレーの保証、リピーター客を管理して一人一人に合わせたサービス内容が自動的に提示されるというもの。


  • また、ブランチャードの理論、どんな製品・サービスを目指していくのかは、提供する側が自分たちで明確に決めるべきだと強調している。そのうえで、お客様の声に耳を傾け、工夫を重ねるべきだと説く。というのはその通りで大事だと改めて思った。


  • 「顧客をつかむには、満足させるのでは不十分で、熱狂的なファンを作る必要がある。」これはどこでも共通する話なんだなと思った。


  • 星野社長は4代目で、2代目が内村鑑三と親しく、「成功の秘訣」という星野氏に贈られた自筆の教えがあり、それは石の教会に飾られているそう。

    • 羨ましいなと思った。


  • その中で、「成功本位の米国主義に倣ふべからず。誠実本位の日本主義に則るべし。」というのがあり、これは響いた。


  • 経営者が一番大切にしなければならないのは、お金ではない。それは品性である。会社に残すべきは経営者の姿勢というのが、内村鑑三から学んだ話。

    • これらの言葉も良い。下の引用の最後にもあったが、会社に残すべきは経営者の姿勢。これは内村鑑三氏の『後世への最大遺物』の中でも書かれている点で、非常に共感する。


引用

根拠や基準となる理論があれば、ぶれがなくなる。

私は経営職に就いた当初から、自分にアーティステックな経営判断を行う資質があるとは思っていない。

書店に1冊しかないような古典的な本ほど役に立つ。

自社が抱える課題を持って、「解決に役立つ教科書はないか」と探しに行くことのほうが多い。

学問と実践を行き来した研究者の本を探す。

ある戦略を実践するには「3つの対策が必要だ」と書かれていたら、1つや2つでなく、3つすべてに徹底的に取り組む。そうすることによって初めて教科書の理論が効果を生む。これまでの経験から私はそう断言できる。

ある戦略を実践するには「3つの対策が必要だ」と書かれていたら、1つや2つでなく、3つすべてに徹底的に取り組む。そうすることによって初めて教科書の理論が効果を生む。これまでの経験から私はそう断言できる。

ニッチャー戦略で成功するためのカギを握るのは、市場と戦略の選び方である。コトラーが挙げている例としては、製品を顧客ごとにカスタマイズする「注文製品専門化」、最高品質にこだわる「品質・価格専門化」、1つの流通チャネルのみに集中する「チャネル専門化」などがある。

製品やサービスの質に差がなくなったとき、お客様は買いやすい会社、手間をかけずに安全に早く欲しいものが手に入る会社を選ぶ。

カレーライスの人気の秘密は「おいしさ保証」である。これは「カレーを食べた人が『おいしくない』と感じた場合、スタッフに申し出ると、代金を全額返金してもらえる」というサービスである。「おいしくない」と感じた理由がいかなるものであっても、申し出があった時点で、返金に応じる。

「おいしさ保証」の背後には、米国の経営学者、クリストファー・W・L・ハートの「サービスの100%保証システム」という論文がある。

ハートは「サービス保証制度が不要となる時」について記している。それは既にサービス内容に定評がある場合だ。

サービス業の最大の特徴は、生産と消費が同時に行われることだ。

ミスを憎んで、人を憎まず

リピーターのお客様がいらっしゃったときに、お客様1人ひとりに合わせたサービスメニューが自動的に表示される」などの仕組みが盛り込まれている。

星野社長は「ブランドの価値は貯金に似ている。取り崩していたら、いつか失われる。将来を見て、積み上げていくことが大事だ」と語る。

認知率は広告費に比例するが、知覚品質は社員の力で高まる。

企業が活力を高めるためには、「社員の主体性」を引き出す必要がある。そのカギは、仕事に対する共感や納得感である。

大事なのは「アイデア」より「気づき」

星野社長がコンセプト作りの参考にしたブランチャードの理論は、どんな製品・サービスを目指していくのかは、提供する側が自分たちで明確に決めるべきだと強調している。そのうえで、お客様の声に耳を傾け、工夫を重ねるべきだと説く。

顧客をつかむには、満足させるのでは不十分で、熱狂的なファンを作る必要がある。

話し合いを通じて、星野社長は重大なことに気づいた。社員が辞める理由の大半は「組織に対する不満」であることだった。トップダウンで改革を進めてきたが、社員は命じられて動くことに疲れていた。社員は不満を募らせていたが、自分の意見を主張する場がなかった。

会社に残すべきは経営者の姿勢

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