【問題解決のパターン19】オンとオフを切り替える
ものごとを効率よく行うためには、オン/オフの切り替えが必要です。
ずっとオンのままにすると消費エネルギーが多くなる場合には、定期的にオフにすることで、エネルギーを効率よく使うことができます。
「発明原理19 周期的作用」では、連続した作用を周期的にすることを考えます。
発明原理19 周期的作用
次の図は「発明原理19周期的作用」のイメージ図です。
連続した作用を、周期的な作用にしようという考え方です。
「発明原理19周期的作用」のサブ原理は次のようになります。
サブ原理A: 連続作用を、周期的作用/パルス的作用にする
サブ原理B:作用の周波数を変える
サブ原理C:作用の休止中に、他の作用を行う
サブ原理A:連続作用を、周期的作用/パルス的作用にする
連続作用・周期的作用・パルス的作用のイメージは次のようになります。
周期的作用といえば、ホタルの発光ですね。
発光のオン/オフを周期的に行うことで、小さな明かりでも目立ちます。
ネオンサインを目立たせるために、さまざまな工夫が行われています。
連続点灯を、一定サイクルの点滅に変えることで、目立たせることができます。
ずっと点灯しているとエネルギー消費が多くなります。
一定サイクルの点滅にすることで、エネルギー消費が少なくなれば(目立つことに合わせて)一石二鳥ですね。
サブ原理Aの適用例は以上です。
次はサブ原理Bを説明します。
サブ原理B:作用の周波数を変える
サブ原理Bは次のようになります。
サブ原理B:作用の周波数を変える
ネオンサインの点灯を「一定サイクルの点滅に変える」ことで、目立たせることができました。
でも、ずっと同じサイクルが続くと、見る人が慣れてしまうことがあります。
そんな時は、サブ原理B「作用の周波数を変える」が使えます。
一定サイクルの点滅を、変動サイクルの点滅に変えることで、見慣れてしまうことに対応することができます。
変動サイクルの点滅にすることで、より目立たせることもできますね。
サブ原理Bの適用例は以上です。
最後にサブ原理Cを説明します。
サブ原理C:作用の休止中に、他の作用を行う
サブ原理Cは次のようになります。
サブ原理C:作用の休止中に、他の作用を行う
ネオンサインに対して、
・連続をパルス的に変える(サブ原理A)
・周波数を変える(サブ原理B)
という方法で、より目立たせる工夫を考えました。
もう一工夫したい時には、サブ原理C「作用の休止中に、他の作用を行う」を使うことができます。
ネオンサインの消灯のタイミングで、別のデザインで点灯することで、見る人の注意を引くことができます。
上図の「変動サイクルの点滅」で消灯時間が長い部分の後半に別のデザインで点灯します。
消灯が続いているタイミングで「別のデザインが急に現れる」ことで、注意を引くことができます。
作用の休止中に他の作用を行うことで「思いがけない驚きがある」といった意外性をだすことができます。
サブ原理Cの適用例は以上です。
定期的に行う
ものごとを効率よく行うための、切り替えの方法を解説しました。
連続作用を、周期的作用やパルス的作用にすることで、効率よく行うことができます。
周期的の意味を広げて、ものごとを定期的に行うことも有効です。
例えば、イベントを定期的に行えば、イベントを行う側とイベントに参加する側の両方にメリットが得られます。
5時の市などは、顧客は「その時間になればお買い得」と分かっているので、店側は宣伝する手間が省けます。その分を、低価格に転嫁してくれれば顧客も嬉しいですよね。
次回は「発明原理20 連続性」を解説します。
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参考文献
Darrell Mann 『TRIZ 実践と効用 (1) 体系的技術革新』の「第10章 問題解決ツール-技術的矛盾/発明原理」
Yuri Salamatov 『超発明術TRIZ シリーズ5 思想編「創造的問題解決の極意』の「付録 B.発明原理」
高木芳徳『トリーズ(TRIZ)の発明原理 あらゆる問題解決に使える[科学的]思考』の「第2部 40の発明原理」