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【問題解決のパターン13】逆にして解決する(後編)
今回は「発明原理13 逆発想」の後編です。
前回の前編では、サブ原理A「従来/通常の反対を行う」を解説しました。
今回の後編では、反対にする方法を具体的に解説します。
発明原理13 逆発想
![](https://assets.st-note.com/img/1651285934063-iEkLLxvWhz.png?width=1200)
「発明原理13 逆発想」のサブ原理は次の4つです。
サブ原理A: 従来/通常の反対を行う
サブ原理B:固定→可動にする
サブ原理C:可動→固定にする
サブ原理D:上下を逆にする
今回の後編では、サブ原理B~Dを解説します。
サブ原理B~Dには、反対にする方法が具体的に示されています。
サブ原理B:固定→可動にする
反対にする方法の1つ目は「固定されているものを可動にする」という方法です。
以前の製品の組み立てでは、製品の部品は(その場に)固定されていて、人が移動していました。
人があちこちに移動すると疲れてしまいます。そうすると、作業効率が悪くなります。
そのため、流れ作業による組立てが考え出されました。
![](https://assets.st-note.com/img/1651285973548-ctQvIXKr0p.png?width=1200)
「流れ作業」では、人が移動する代わりに部品が移動します。
人の移動がなくなり、作業効率が改善されました。
「流れ作業による組立て」では、サブ原理B「固定→可動にする」が次のように当てはまります。
以前の作業:部品が固定されている
流れ作業:部品が移動する
このようにして「従来の反対を行う」ことで、作業効率が改善されました。
サブ原理Bの適用例は以上です。
次はサブ原理Cを説明します。
サブ原理C:可動→固定にする
反対にする方法の2つ目は「可動なものを固定にする」という方法です。
1つ目の「固定されているものを可動にする」と逆の方法です。
水槽試験では、船の模型を固定して、代わりに水を流します。
![](https://assets.st-note.com/img/1651286014584-SKlbP9ecsu.png?width=1200)
船の模型を動かすためには大きな水槽が必要になります。船の模型を固定して代わりに水を流すことで、水槽を小型化できます。
サブ原理Cの適用例は以上です。
最後にサブ原理Dを説明します。
サブ原理D:上下を逆にする
反対にする方法の3つ目は「上下を逆にする」という方法です。
これは最も大胆な方法ですね。
モノレールには、次の形式があります。
![](https://assets.st-note.com/img/1651306903825-SOzjFJ30Hm.png?width=1200)
跨座式: 上にまたがる
懸垂式:吊り下げる
跨座式と懸垂式では、上下が逆になっています。
条件やニーズに合わせて形式を選ぶことができます。
サブ原理Dの適用例は以上です。
さまざまなものを逆にする
サブ原理B~Dでは、反対にする方法を具体的に説明しました。
「固定→可動」「可動→固定」「上下を逆」というように見ていくと、他にも「反対にする方法」が思う浮かぶのではないでしょうか。
例えば、次のものを反対(逆)にすることができます。
前後
左右
内外
表裏
さまざまなものを逆にすることで、大胆なアイデアを考えてみると面白いと思います。
次回は「発明原理14 曲線と曲面」を解説します。
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参考文献
Darrell Mann 『TRIZ 実践と効用 (1) 体系的技術革新』の「第10章 問題解決ツール-技術的矛盾/発明原理」
Yuri Salamatov 『超発明術TRIZ シリーズ5 思想編「創造的問題解決の極意』の「付録 B.発明原理」
高木芳徳『トリーズ(TRIZ)の発明原理 あらゆる問題解決に使える[科学的]思考』の「第2部 40の発明原理」