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リウマチ専門医試験の対策、再現問題

はじめまして、都内で内科医をしている者です。

2023年度(第37回)のリウマチ専門医試験を受験し合格しました。
その傾向と対策について、皆様のお役に立てればと思いこのnoteを書いております。
有料ですが再現問題(50問)もあるのでご活用いただければと思います。


【試験概要】

▽日程・場所

2024年1月13日(日)14時-16時に実施されました。

全国の都道府県に設置されているCBTテストセンターで行われ、
筆者は新宿のビル内にあるテストセンターで受験しました。

CBT形式のため各々パソコンで試験を受けるのですが、隣の席ではFP2級など違うテストを受験している方がいるなど少し慣れない状況かと思います。

▽持ち物

運転免許証など本人確認証が必須です。
忘れると試験を受けられませんので要注意です。
特に受験票などの事前配布はありませんでした。

また、時計や筆記用具、携帯電話などは会場外のロッカーに預け、持ち込み不可でした。このあたりは会場によっても少し異なるのかもしれません。

▽試験本番について

上述のとおりCBT形式です。
パソコンの使用方法が直前に渡されるプリントに記載されており、
それに沿って試験を受けます。

問題は全部で100問、試験時間は2時間。時間はかなり余ります。

5択問題がほとんどで「~はどれか」「~はどれか2つ(3つ)選べ」といった具合です。「~はどれか」と聞かれた場合はパソコン上は2つ以上選べましたが、原則正解は一つで良いのではないかと思います。

解答を迷う問題については「あとで見直す問題」にcheckを入れ、一通り終えた後にcheckを入れた問題のみ見直すこともできます。残り時間が大きく画面に表示してあり、時間切れの心配もありません。

一つ筆者が犯したミスとしては、見直しの時に「次の問題へ」を左クリック連打していたらパソコンのロードが遅く、遅れて表示された次の問題の間違った選択肢をクリックしてしまっていたことです。最後もう一周見直した際に気が付きました。

▽試験結果

2月上旬に郵送で試験結果が送付されてきました。
点数は開示されないためどの程度余裕をもって受かったかはわかりません。

各年度の合格率は下記の通りです。(日本専門医制度概報より引用)
・2018年度 受験者312名 合格者259名 合格率83.0%
・2019年度 受験者280名 合格者234名 合格率83.6%
・2020年度 受験者220名 合格者178名 合格率80.9%
・2021年度 受験者202名 合格者167名 合格率82.7%

基本的に80%以上の人が合格する試験ですので通常通りしっかり対策をしていれば問題ないと思います。

【試験の傾向と対策、勉強法】

▽使用した教材①:リウマチ専門医試験 例題と解説

これはおそらく受験者ほぼ全員がやっています。
むしろこれだけやりこむことが、
試験に受かるための必要十分条件とも言えます。

これまで2年ごとに改定しており、現在(2024年2月)は第10版が最新です。
次は2024年10月頃の改定が見込まれるので、2024年度 第38回(2025年1月)のリウマチ専門医試験を受ける方は改定を待ってもよいと思います。

▽使用した教材②:リウマチ病学テキスト

日本リウマチ学会、日本リウマチ財団が出版している教科書的な一冊です。
一応この本の序文には「専門医試験用の基本テキスト」と書いてありました。他の成書で十分代用はできるので、なくても良いかもしれません。


▽具体的な勉強法

筆者のバックグラウンドとしては都内在住で、受験時は医師10年目です。医師7年目よりリウマチ膠原病の診療をしております。
3-4年ほど臨床経験を積みましたが、もともとの科と並行で臨床をしていたことや大学院での研究もあり、お世辞にもリウマチ膠原病診療の経験が豊富とは自負できない状態での試験でしたので若干不安はありました。

まず、試験を受ける前の受験申請に関してですが、必要書類を揃えるのが結構大変でした。試験を受けた当時は大学院生で、大学や以前の勤務病院に症例集めや上司のサインを貰いに行くのにかなり時間を要してしまいました。リウマチ学会のHPを見つつ、早めに取り組まれることをおススメします。

専門医試験の勉強は12月に入ったあたりで開始し、1か月半程度しました。結構ギリギリの合格だった気がするので、もう少し余裕をもって始めた方が良いかもしれません。優秀な先生方は1か月程度の勉強で大丈夫だと思います。

まずは問題集(リウマチ専門医試験 例題と解説)をザっと1周しました。解いていてすぐにわかる問題、知識が整理されているなと思った問題は
解説をサラっと読んで2周目は手をつけませんでした。

わからなかった問題、正解はできたけどやや知識が乏しいと思った問題は、リウマチ病学テキスト、ガイドライン、成書などで調べながら、軽くノートにまとめ見直せるようにしました。

2周目は1周目で怪しかった問題を中心に解きました。

問題集の中でも最初の基礎医学的な問題、外科領域の問題などは普段の診療で馴染みがなく難しかったです。しかし、そこまで多くは出題されないと踏んで、また時間もそれほどなかったため最低限問題集の解説はしっかりと読み、あまり周辺知識にそれ以上深入りはしませんでした。

▽試験問題の傾向と対策

まず試験は100問ですが、
① 問題集(リウマチ専門医試験 例題と解説)そのままが15問。
② そのままではないけど選択肢を少し変えたり、問題集の解説部分を読んでいれば普通に解ける問題が40問。
③ 2択くらいまで絞れるけど迷う問題が25問。
④ わからない問題が20問。

といった感覚でした。
わからない問題は受験生みんな難しいと感じるでしょうから、やはり①‐③、特に①と②をいかに落とさないかが重要だと思います。

問題集をやり込み、周辺知識をつけることが合格への最短かつ最適ルートで
あることは間違いありません。①②で50/55問、③で10/25問正解すればもう合格間違いなしでしょう。

ちなみに2023年度 第37回の試験で問題集と全く同じ問題だったのは
102、110、148、155、188、309、326、349、370、374、379、439、455、458 (数字は問題集の問題番号)
でした。

【2023年度(第37回)リウマチ専門医試験 再現問題】

以下再現問題です。わからなかった or 迷った問題を中心に再現しており、問題集と全く同じ問題は載せていません。50問あります。選択肢全ては覚えておらず再現度が低いものもありますがご容赦ください。

また、解答解説は載せておりませんので申し訳ありませんが、ご自身でお調べになっていただければと思います。

1.      血友病性関節症の急性期における治療で正しいもの2つ選べ。
 a.      関節洗浄
 b.     関節穿刺
 c.      放射線治療
 d.     凝固因子補充
 e.      手術

2.  眼球突出を来す疾患はどれか。2つ選べ。
 a.      GCA
 b.     IgG4関連疾患
 c.      SjS
 d.     GPA
 e.      ベーチェット病

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