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リウマチ・膠原病おすすめの医学書【2024年2月】

みなさんこんにちは。リウマチ専門医のけむ医です。
今回はリウマチ・膠原病領域で役立つ医学書・参考書を厳選し紹介します。

あまり内科の中ではメジャーとは言えないからか、リウマチ膠原病領域の医学書紹介がなかなか他のサイトではなかったので、私自身が今まで読んできた中でこれは良かったというものを7冊厳選しました。


▽膠原病ノート<第4版>

対象:専攻医、専門医
おすすめ度:★★★★☆

出ました、膠原病診療ノート。リウマチ膠原病界隈では一番有名な医学書かもしれません。リウマチ膠原病科医ならだれもが一度はこれで勉強したことがあるのではないかといった古典的名著です。

ただ、かなりボリュームが多く、カラフルな図表も少ないです。個人的には初期研修医にとっては内容的にもやや難解で入門書としてはとっつきにくいのではないかという印象です。

逆にリウマチ膠原病を専門とする専攻医以降の医師にとっては、エビデンスの乏しい領域での考え方など筆者の臨床経験が存分に記載されており、実臨床でも非常に役立ちます。また、電子版もついているためタブレットなどで気軽に読めるのも良いです。

▽ケースでわかるリウマチ・膠原病診療ハンドブック〜的確な診断と上手なフォローのための臨床パール

対象:リウマチ膠原病診療に関わる全医師
おすすめ度:★★★★★

リウマチ膠原病領域界で多数の書籍を出版し、非常に高名である萩野先生が書かれた医学書です。

本書は三部構成で、第1部は診察手法・検査などの総論、第2部は各リウマチ膠原病疾患の各論、そして第3部は症例提示となっている。個人的には第3部の症例提示が非常に有益で、たまに遭遇する診療に難渋するケースについて丁寧に解説がされていて、かゆいところに手が届く的な感覚を覚えました。

ハンドブックという名に反して分量は多いです。ただ、イラストや図がふんだんに取り入れられており、初期研修医や非専門医でも非常に分かりやすい内容となっています。リウマチ膠原病診療に関わる全医師にぜひおススメしたい一冊です。

▽Evidence based medicineを活かす 膠原病・リウマチ診療<第4版>

対象:専攻医、専門医
おすすめ度:★★★★★

東京女子医科大学附属病院 膠原病リウマチ痛風センターから出版された一冊です。

エビデンスを重視した論理的かつ親切な内容で、非常に網羅的です。質・量ともに大満足の一冊で本当に買ってよかったです。日常の調べ物をするもよし、Joslerや専門医試験用レポートの考察に使うもよし、最初っから通読するもよし(多分ちょっと大変)、とにかくリウマチ膠原病を専門にする医師は持っておいて損はないと思います。

書籍を購入すれば電子版もついてきます。

▽関節リウマチの診かた,考えかたver.4

対象:関節リウマチの診療をする全医師
おすすめ度:★★★★☆

関節リウマチに関することはこの一冊に全て載っているのではというほど、基礎的なところから詳細なところまで網羅されています。関節リウマチを診療する医師には非常に有益な一冊だと思います。私もリウマチ外来をスタートするにあたって最初にかなり読んだ記憶があります。

後半のDr.岡田の関節リウマチ診療実況中継というchapterが個人的には好きでした。実際にこういう風に診療をしていけばいいんだという外来診療の感覚を掴むのにとても役に立ちました。

▽すぐに使えるリウマチ・膠原病診療マニュアル<改訂版>

対象:初期研修医、リウマチ・膠原病を専門としない医師
おすすめ度:★★★★☆

本書の特徴はリウマチ・膠原病を専門としない医師に向けて書かれているところです。

皮膚・関節の所見、抗核抗体・RF陽性の場合、不明熱の鑑別などから膠原病の診断へといたる診療プロセス、考え方などが中心に記載されています。どのような場合に専門医へのコンサルトが必要かといった項目も各章ごとにあり、非専門医にとっては非常に役に立つ一冊だと思います。

各疾患の治療の詳細などはあまり記載されていませんが、私もリウマチ膠原病科になる前に大変お世話になり、個人的に好きな本です。

▽リウマチ・膠原病診療ゴールデンハンドブック<改訂第2版>

対象:初期研修医、専攻医
おすすめ度:★★★☆☆

こちらの方のハンドブックはその名の通り白衣のポケットに収まるサイズです。日常診療で各疾患の診断基準をササっとみたりするに便利です。

ただ私はipad miniをポケットに入れて持ち歩いていて膠原病領域の電子書籍が多数入っており、串刺し検索すればパッと出てくるので正直このハンドブックはあまり使用はしていません。

非常に読みやすいので、初期研修医や専攻医でリウマチ膠原病をローテする際に持っておく一冊とかだと結構良いかもしれません。

▽Gノート 2021年2月 Vol.8 No.1 リウマチ膠原病“らしさ"を捉える! 〜Rheumatologistが伝えたい日常診療での勘どころ

対象:初期研修医、専攻医、非専門医
おすすめ度:★★★★☆

総合診療系の月間雑誌のひとつですが非常に良かったです。
一般内科医、リウマチ膠原病診療を始めて間もない専攻医、もちろん初期研修医にもおすすめの一冊です。

日常で比較的よく遭遇するリウマチ膠原病疾患に関して、専門医の視点から非専門医に向け、診療のコツや診断・治療の大事なポイントが要領よく記載されています。深堀しすぎず、分量もそこまで多くなく、かといって大事なポイントはしっかりと抑えられており、初学者にお勧めです。私もリウマチ膠原病診療を始めた最初のころに読みました。

以上になります。いかがでしたでしょうか。
是非参考にしていただければ嬉しいです。

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