のらネコたちへハッピーエンドを


27時頃になるとこっちの脳みそは沸騰しまくってて
気が触れてしまいそうになるのを抑えるために外に出る

辛抱強さがまったくないくせに
漫画を描くことをまだやめない

たぶんそこでしか自分の生きてく道はないんだと思っているからだ
俗に言われる社会不適合者ほど社会不適合的人間かというとそうでもない
それがまた悔しいし、そんな自分が嫌いだ


だいたい夜中は物語をつくることと絵を描くことと自分よりもたくさんたくさん上手なやつらの絵や話の構成の仕方で頭がいっぱいになって溺れている

そうして渦巻いてできた自己嫌悪的入道雲をもくもく膨らませて考えすぎるのが嫌になって酒を飲み、鉛筆を自分の手に突き刺しておく

戒め 罰 恥

そのような状態で真夜中をふらつく自分は誰にも知られることのないゾンビになった気分だ
きっと自分の知らないところで世界は終わったんだ
終わった世界で死にながら歩くゾンビと化してしまったんだ

そんな折にのらネコに遭遇した

警戒とたぶん哀れみの眼でこちらの様子を伺っている

大丈夫、敵じゃないしあなたに一切危害を加える気はない、ただ人知れずゾンビになってるだけだと言ってみる

のらネコと仲良くなるにはおばあちゃんみたいに動くのが効果的だと言うのを聞いたことがある

依然、警戒度は最高レベルだ

試しにしばらく座ってみた
そして興味のないふりをしてみるのだ

ただ側にいてくれよ
ただ近くにいることを許してくれよ


次第にのらネコもこちらに興味がなくなってきたみたいだ


束の間の平穏


夜が空ける時間になってきた
夏の夜風は生温いが自分にはここちよい


側にいてくれるだけで落ち着くんだ
独りぼっちなのは自分だけじゃない沸騰した脳みそは
いつの間にかぬるい温度に変わってきている


今度はチュールを持ってくるよ

お互い良いことあると良いね

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