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カムカムエヴリバディを観てます

朝ドラ、途中で挫折した作品もあるけど、だいたい観てるなー。今やっている「カムカムエヴリバディ」欠かさず観てます。NHKプラスもあるしね。3代女性の人生を描く作品。戦中に青春時代を生きる安子、その子るい、るいの子ひなた、で、今はひなたが主人公。
このひなたはバカな子という設定だそう(「朝イチ」のゲストで登場した音楽担当の金子隆博さんによると)で、同世代を生きた者としては、こう、ちくりとするものがあります。
3世代観てみると、安子、るいの世代までは、戦争が人生に大きな影響を与えている。
けれどひなたは、そんなことまーったく、頭をよぎらない。なりたいものがわからない…って本人にとってはとてもとても深刻で、それを、甘い甘やかしてるというのは簡単だけれども…。
ひなたと安子ちゃんとの比較で、時代によってこれほど人生に差が出る、ということが浮き彫りになっています。戦中戦後の安子や幼いるいの時代を観てきた後に、こののほほんひなた編…いろいろと思うところあります。
過酷な時代を知っている者たちの、子供たちには戦争とは無縁の時代を生きていってほしいという切なる願い。同時に、“戦争だけはどんなに正当化しても酷いもの。絶対起こしてはならないことを伝えていく難しさ”に、もどかしさもあったと思う。
そうあの頃私たちは、これから後、日本が戦争に参加することがありえるなんて、これっぽっちも思ってなかったはず。民主主義とか人権とか憲法9条とか、もし批判する人がいるとしたら、それは殺人や強盗を良しとするくらい非道徳な人間。少しの疑いもなかった。
どんな時代もそのときなりの社会問題が多数あります。個人差も大きいし…それでも、ひなたを観ると、ああ…と思える、私たちの世代に共通の意識が垣間見えてしまう。
当時、どんなに国際情勢不安定であろうと、日本にとって戦争は遠い過去にだけ存在すると感じていたかと。そう信じていられた、日本歴史の中での短い期間に過ぎなかったのに。
朝ドラの戦争は総じて軽い印象。暗い気分になりたくないし、特に戦争を知る者にとっては忘れたいほど辛い経験だったから。リアルに描くのを控えられる…「おしん」以外は。
「おしん」の放映当時、この作品はそれほど、私の胸に迫るものではなかったです。最近NHKオンデマンドで観て…深い。一番は…戦時中、軍に協力していた人の戦後の行動。脚本を書いた橋田寿賀子氏曰く“戦後ころっと態度を変えてのうのうと生きている男たちが本当に許せなかった”と。強いその思いが込められている。
カムカムエブリバディHPにある「未来なんてわからなくたって、生きるのだ」の言葉。
今までのすべての、朝ドラに通じる精神。だから、多くの人が続けて観てしまうんだな。

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