やりがい搾取って言うけれど
やりがい搾取、って言葉、かなり浸透してきた。それ、間違いはないのだけど…。
友人が昔、某会社に勤めていたものの激務で体調壊した。「面白そうな仕事って、大変なんだよね」。うん、そしてたいていは、その大変さに見合う報酬がないのがこの国。
私がパート勤めしていた某会社。そこでの仕事内容は、傍から見るととても社会的に意義がありやりがいがあり面白そう。が入社早々、ここまでパートに責任持たせる?仕事量多くない?と驚くことばかり。同期仲間が良かったのは楽しかったし、興味深い世界ではあったが。私と親しかった仲間(社員含む)は、ほぼ同時期1年足らずで退社した。
日本は就職というより就社。職場ごとに世界がまったく違い、その職場ならではのこと…不満もジョークも…会社仲間でないとわかってもらえない。正論はとても大事だが、それがすんなり通る職場ってまずないね。その職場でしか通用しないルールがたくさんある。
よく欧米では、個人の生活や人生が優先され、そうしたライフスタイルを日本も見習うべきって言われがち。でも、あまりに文化…考え方や歴史背景…が違いすぎるのです。
仕事に強くやりがいを求める日本人の志向は、これからも続きそう。それは、悪い点ばかりでもなくて…日本人の美点でもあるし。欧米のように、個人の生活をもっと充実させよと言われても戸惑う人も多いんじゃないか。
例として、大きな社会問題になっている教師の多忙さ。当の先生間でも意見が多いに違うよう。教師の、子供の為ならと自ら仕事を増やしていく傾向は、上からの力でストップをかけるべきと私も強く思う。でも…たとえば部活動顧問。その負担の重さが論じられているが、部活動に夢中に(嬉々として)取り組んでいる教員も少なからずいるわけで。
日本では、何の仕事をしようと、職場で自分が活躍できることが人生の大きな価値と捉える人が多い。結果、プライベートより仕事優先になりがち。それを急転換させるのは無理。
もちろん欧米に見習うべき点は多い。中でも長時間労働はコスパ悪いし、その他諸々。
どの国の人でもたいてい、仕事は生活費を得るのが一番の目的かと。そして、そこにやりがいが欲しいのも同じ。それが、日本ではやりがいで終わらず、人生の生きがいとして考えられていて…重っ!そこに、人格すべてまでもが、決定されそうなくらいの重みがある。
やりがい搾取で会社に操られ、過重労働はもちろんパワハラセクハラもまっぴら…今は、仕事選びも、それを続けるか否かも、徹底的な自分ファーストの人が増えているはず。
仕事=金のためと割り切れるものではなく。どこか神聖なものと捉える文化があって。私たちに合う、幸せな働き方がきっとあるはず。現在はその過渡期だろうな。
仕事にやりがいは必要不可欠でも、生きがいにまで高めることはないのです。
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