工藤夕貴さんのファンです
…といっても、出演作や発言を絶えずチェックしてきた、っていうわけではない。けれど、ずっと存在が気になる人です。
昔はただ、ルックスが好きと感じるだけだったけれど、少女から大人へと年を重ねるにつれ、そのときどきの決断と生き方に深く感じ入ってきました。
工藤夕貴さんの代表作としては、今も「台風クラブ」をあげる人が多いんではないかと思います。「台風クラブ」は、台風の日に、人気のない校舎で過ごす中学生たちの物語。子供と大人の狭間にあって、有り余るエネルギーの発露の仕方がわからず、不器用な一触即発の思春期ならではの心情が、むき出して表現されていました…正直大筋は忘れてしまったのだけど、映画全体に流れる空気感は強烈に覚えてる。
“このまま流されて自分はつまらない土地の女になっちゃう”と、イライラしている少女役が、はまり役でした。この頃の工藤夕貴さんは、私がなりたかったルックスそのもの。華奢で可愛い感じ、心底羨ましかったです。アイドルタレントにありがちだったいわゆる“ぶりっ子”な匂いがないのも好ましかった。
「台風クラブ」以外の出演作としては、ハリウッド映画「ヒマラヤ杉に降る雪」もよく知られているかと思います。日系アメリカ人を扱ったシリアスなお話で、堂々とヒロイン役を演じておられました。抜群の英語力で。
そう、努力で英語力に磨きをかけ続けてきた方。その凄さを再認識した映画です。
後年、NHKの英語番組で、日本語名詞を英語に変えるゲームをしていました。ある名詞の英語訳について、工藤夕貴さんが「○○かなあ」と答えたとき、思いつかなかった司会のパックンがびっくり「すごーい、そうそれ」。パックンも驚きの英語力。
「ヒマラヤ杉に降る雪」のあと、アメリカで暮らし映画のオーディションを受け続け奮闘…が、数年頑張ってもうまくいかず…そのときの、彼女の決断がいい。
日本に帰国して、富士山麓で農業をやり始め、自家栽培の野菜を使ったメニューを出すカフェを経営し…。その暮らしぶりが、当時TVで放映されていました。自宅のDIYもやっていて「(私)ガテン系女優ですから」。溌剌とした笑顔が印象的でした。
最近では、NHKドラマ「山女日記」で主演。プライベートでも登山が趣味で、原作者の湊かなえさんとは山仲間でもあるそう。華奢な女の子、のイメージはもうありません。でも、独特のキュートさはそのまま、その上で、今ならではの輝きが放たれている。生き方が“顔”をつくる、ってこういうことを言うんだな。
私よりうんと年下だけど、生き方の目標にしたい、素敵な憧れの女性です。