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生物教師の植物日記「センニンソウ」
生物教師としてこれまで過ごしてきましたが、あまりにも「生物」そのものに無頓着に過ごしてしまっていました。
そんなとき、いきものコレクションアプリ「Biome」に出会ったことで自分の足元の生き物たちの観察を改めてするようになったので、マイペースではありますが、調べたこと・知ったことなどを整理していきたいと思います。
職場の周囲が自然豊かなこともあり、話のタネはたくさんあります。
日課は難しいですが、定期的に更新できたらいいなと思っています。
今日は、いきものコレクションアプリBiomeで最初に出会うことができた、センニンソウという植物について紹介したいと思います。
センニンソウとは
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和名:センニンソウ
学名:Clematis ternifolar DC.
キンポウゲ科 多年草
花期:8~9月
センニンソウは日本では北海道南部、本州、小笠原諸島、四国、九州、沖縄に広く分布する、つる性の半低木です。
花期は8〜9月で、白い花をたくさんつけます。私が坂道の日当たりの良いところで見つけたときも、目を引くようにかわいらしい花をたくさんつけていました。
名前の由来
最初に名前を見たときは、白い花が仙人のように見えるのかな?と思ったのですが、花の後に果実より伸びた銀白色の長毛が密生した様子を、仙人のひげにたとえたことに由来しているようです。
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しかも、別名がたくさんあり、ウマノハオトシ(馬の歯落とし)、ウマノハコボレ(馬歯欠)、ウシクワズ(牛食わず)、ハコボレ(歯欠)、ハグサ(歯草)など、物騒な名前がたくさんあります。
実は有毒植物…
というのも、センニンソウは、茎や葉の切断面から出る汁や濡れた花粉に触れると炎症を起す有毒植物だそうです。(知らずに触っちゃったよ…(´・ω・`)
10月頃に根及び根茎を掘り出し、水洗いした後、乾燥したものが生薬 「ワイレイセン(和威霊仙)」です。しかしその利用例はわかっていません。民間では、夏から秋にかけて採取したセンニンソウの生の葉を扁桃炎(へんとうえん)、神経痛、リウマチの痛みの患部に数分貼り付けるなど、少し手荒い療法があったようです。いずれにせよ、センニンソウは毒性が強いので、民間では絶対に飲用しないように注意が必要です。それゆえワイレイセンは、残念ながら漢方の生薬として日本では利用されていません。
触った後に知る、毒性の強さ…。
良く調べないといけないですね。職場の毒草マップなんて作ったら、面白そうだけど、生徒たちが触りそうなのでそれも心配…。
調べていくと、センニンソウが属しているキンポウゲ科の仲間にとても見覚えのある植物の名前も…。
草本が多いが、センニンソウ属(Clematis)の多くの種やトリカブト属(Aconitum)の一部の種にはつる植物が知られる。また、センニンソウ属の一部やアメリカに分布するヒイラギナンテンモドキの組織は木質化するものがある。
センニンソウの属するキンポウゲ科には、あのトリカブト属も含まれてるんですね…。
また、キンポウゲ科は薬用・毒にも多く関わりがあるほか、園芸種にもたくさん種類があるそうです。
ラナンキュラスなんかも、キンポウゲ科の仲間だそうです。
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まとめ
何気なしに、調べた植物がこんな毒性まで持っているとは知りませんでした。
まだまだ知らないことが、その辺りにいっぱいいるんだろうなぁと思った次第です。
この生物教師の植物日記では、気の向くままに身近な植物を調べてまとめていきたいと思います。
ちょっとした、植物の知識に繋がると嬉しいです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。