「家族マンガ」が好き(『次女ちゃん 6さいのじかん』)
一番最初はTwitterで目にしたマンガがきっかけで
そこから一気に引き込まれていきました。
こやまこいこさん。
『宇宙兄弟』の作者、小山宙哉さんの奥様です。
その小山家(パパ・ママ・長女・次女)の毎日のふとしたことを、
主に次女を中心に描いた作品が、
『次女ちゃん』
その『次女ちゃん』から1年経って、今回描かれたのが
『次女ちゃん 6さいのじかん』です。
こいこさんの日記をのぞかせてもらっているような
マンガのなかでは、
次女:にこ
長女:るーこ
という名前になっていて、
にこの毎日が数コマのマンガで、いくつものストーリーで展開。
ストーリーは1作目の『次女ちゃん』のときから、
季節ごとのまとまりで進んでいき
長女のるーこや、パパのストーリーも合間に出てくる。
だからもちろんイラストとして出てくるのは、
にこ、るーこ、パパが多いのだけれど、
そこに添えられる言葉はママの目線やママの思ったことで。
「こんなことがあった」「こう思った」という
それぞれの季節で起こったことをまとめた、
こいこさんの日記をのぞかせてもらっているような気持ちになります。
にこは見ていて飽きない
この時のにこは小学1年生。
自分が子どものころにやったような遊びもしているし、
今となっては
「なんでこんなことしてるんだろう」とか
「何を思ってこういうことを言ってるんだろう」とか、
でも似たようなことが自分にもあったんだろうなと思う
そんな行動や言葉が出てきます。
にこはその時々で思った行動や言葉を
素直に表に出していることが多いのかなと思うけど、
こちらから見ていると、
ついフフっと笑ってしまうような、
それでいてパパ・ママ・るーこのことを好きな思いが伝わるような、
見ていてほっこりする部分にあふれています。
るーこの感性が好き
実はこのマンガを読む大きな楽しみが、
長女であるるーこのことを見ることだったりします。
るーこはこの時、小学6年生。
年相応の、子どもらしい一面も見られるのだけど、
たまに大人の自分でも思わないようなことを
話したり、していたりする。
前作の『次女ちゃん』からそう思っていたけれど、
それが何よりるーこの「優しさ」から出てくるものなんだろうなと
思うことが多いです。
自分よりだいぶ年下だけど、るーこのような気持ちを・言葉を・行動を
自分も持つことができたらと感じるんです。
るーこ自身はあまり自分のことを描かないでほしい思いもあるようですが、
るーこを見て「いいな」「すごいな」と思っている自分からすると、
今後もるーこには出てきてほしいな。
パパは「パパ」
このマンガにはパパが出てくる場面も結構ありますが、
「漫画家・小山宙哉」ではなくて、
「小山家のパパ」という感じです。
「ネームができそう」など、
漫画家さんらしい言葉も出てきますが、
『宇宙兄弟』の作者としての姿は出てこなくて、
描かれるのはにことるーこに接するパパの姿。
どこにもいる父親とあまり変わらない、
家にいる時はラフにゆったりと過ごしている、
小山家の中ではいちパパなんだなと。
宇宙兄弟の読者でもある自分からすると
「漫画家・小山宙哉のパパの姿」なんですが、
ママやにこ、るーこから見ると
「パパの職業が漫画家」という逆の見方なのかなと。
だからきっとこのマンガの中では、
むしろその見方のほうが当たり前なんだよなと、
なんだかしみじみとパパのことを見ています。
やさしい気持ちになれる『次女ちゃん』
もちろんマンガには描かれていない部分で、
ケンカもしたり、
日々それぞれに忙しかったり、
日々それぞれの悩みがあったり、
「頑張らなきゃ」と思うことがあったり、
色々なことが目まぐるしく起きていると思います。
でも、ママであるこいこさんが、
毎日の中でにこに起こった楽しいことや面白いことを中心に、
るーこの優しい部分や、
パパのパパとしての姿を、
こうやって日記のようにマンガにまとめてることが、
すごくあたたかいことだなと思います。
だからこそ、読んだこちらも、
読んだ後にほっこりと、やさしい気持ちになれる。
『次女ちゃん』はそんなマンガです。
続編の制作・発売予定もすでに決まっているようで、
今から既にとても楽しみです。
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