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藤原さくら『Monster』の衝撃
通り雨にしては激しすぎるくらいに降っている正午の街中を、久しぶりに履いたパンツの裾を濡らしながら歩く。傘をさし、外に出たことを少々後悔しながら、いつもの通りラジオを聴いていた。
「・・・・・・Monster Monster Monster」
「・・・・・・Monster Monster Monster」
全編が英語詞のようで、女性の声なのは分かるけれど誰なのかピンと来ない。
邦楽・洋楽問わず流すラジオ局・番組だと思うから、きっと馴染みのない洋楽アーティストの曲なんだなと思っていた。
曲明けで番組パーソナリティ(そのラジオ局では「ナビゲーター」で統一されているよう)の紹介を聴いて、驚いた。
「1曲目にお届けしているのは藤原さくらさんの新曲、『Monster』」
・・・・・・え?
藤原さくらって、あの藤原さくら?マジ!?
ナビゲーターの紹介は続く。
お聴きのように、全部英語詞、そして毒っ気のあるダークな1曲になっています。
もともと福岡で高校生の頃に活動していた頃から、こういうちょっとブラックな、ダークな感じの曲もあったんですが。デビューしてからは割とそんな感じじゃなくて、ちょっとほんわか・ナチュラルなイメージが多かったんですが、こんな曲もカッコいいですね。
ナビゲーターが紹介しているまさにそのまま。福岡で、高校生の頃の活動は知らないものの、藤原さくらさんといえば『Soup』で、『春の歌』で。まさにほんわか・ナチュラル、穏やかな感じの方かと思っていた。
今回の『Monster』は真逆とまではいかない。けれど、前紹介なく初めて聴いただけでは、自分程度の認知だと藤原さくらさんの曲だと分からないくらいイメージの違うものだった。
何より全て英語詞というのも衝撃を後押ししている。日本語詞で歌っている印象しかなかったことが、英語詞を聴いた時にアーティストが想像できなかったのに拍車をかけた。
英語詞で歌う曲もありつつ、日本語詞の曲もある認知のアーティストなら、なんとなく想像ができる部分もある。(自分程度の認知で)かけらも想像しないことばかりだった分、衝撃が相当大きかった。
今回この『Monster』を聴いて、自分の音楽への想像力の狭さを思い知った。
日本語詞で歌っている方は、基本的に日本語詞で歌うもの。それまでの楽曲の感じが、基本的にはそのアーティストの楽曲の多くに通じているもの。ステレオイメージのように、音楽に対して奥底で決めつけてしまっている部分があるのだなと、ものすごく痛感した。
でも、こういうことがあるから音楽は面白い。というかスゴい。考えたら際限などなくて、言葉にしても、曲の感じやジャンルにしても、自由に広がっているんだよな。藤原さくらさんというアーティストのイメージが一気に更新されたとともに、音楽の聴き方や音楽に抱くイメージ・感覚もアップデートされた感じだ。
いままでよりももっと自由に、音楽が聴けそうな気がする。自分の音楽の聴き方・感じ方がもっとフラットになるんじゃないかと、ちょっと楽しみだ。