おめでとう
いままで、今日はこの言葉を言われる側の日だと思って過ごしてきた。
盛大なお祝いをしてほしいとは思わないけれど、それでも家族や知人から言ってもらえると、ちょっと嬉しい。
歳を一つ重ねて、心機一転またやっていく気持ちになる、そんな日だ。
けれど、今年はそうじゃない。
自分がこの言葉を言う側の日になった。
きっと少し気にしていたのだろうけど、「この日しか空いてなかったんだよ。」と笑いながら伝えにきたとき、悪い気は全くしなかった。
晴れた空、今となっては着慣れてなさすぎる正装で、少し早めにその場に着く。
普段は足を運ばない場所、晴れがましい雰囲気にも慣れていないのか吹き出しそうになっている姿を見て、こちらもなんだか笑いそうになってしまった。
隣に座って食事をするのなんていつぶりだろうと考えながら、出てくる料理の話をしたり、進行する一つひとつに泣き笑いする周りを見たり。
予想はしていたけれど、結局一緒に誕生日のお祝いもされたり。
今日は自分の日じゃないのにね。
ゆっくりと食事をしながらも、あっという間に時間は過ぎて、その場は終わってしまった。
終始和やかで感動している人たちの中にいて、例年と変わらない、いい1日になったんじゃないかと思う。
今日は妹の結婚式。
おめでとう。