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Represent

「すきな、あいする福岡のこと、これからも語り続けて」
「福岡のこと、めちゃくちゃ大好きなんですね」

こんなふうに言ってもらえることが、最近増えた気がする。とても嬉しい。
けれど、言ってもらっておいて本当に申し訳ないのが、その「福岡愛」にいまひとつ自覚的でないことだ。

いまひとつ自覚的でない「福岡愛」

山口県で生まれ、岡山県に引っ越して過ごし、現在は福岡県で生活している。ここ最近やっと、この3県の中で福岡県で過ごした年月が最長となった。それでもまだ、福岡県で過ごしていない期間が人生の半分を占める。

小さい頃から一緒に過ごした友だちが居るわけではない。方言も使わない(というか、おそらく方言で上手くしゃべれない)。県内でもまだまだ行ったことのない地域の方が多い。
今までも福岡への「参入組」であると強く思ってきたし、おそらくそれは今後も自分の中から抜けないのだろうと、漠然と感じている。

大学生の時に、ふとこんな質問をされたことがあった。

君のアイデンティティとなるような土地は、どこなんだろうね?

飲み会の場で、先のような「参入組」の話をしていたから聞かれたのだと思う。質問した本人も覚えていないだろうけど、耳に、心に残る、自分の芯に迫るようないい質問だった。
これからも問い続けるだろうなと、当時からずっと思っている。

企画メシ2021、第7回は「ラジオの企画」

今回の「企画メシ」。第7回は「ラジオの企画」だった。
ラジオの企画の課題は「生配信」。

ラジオの公開生収録をするイメージで「Radiotalk」で、1回以上生配信してみましょう。

とにかくラジオが大好きで……とラジオの話をしだすと、いくらでも時間と文字数を使ってしまうので、今回は気持ちだけに留めておく。
では何を配信するのか?ということになるのだが、そこでも選んだのは「福岡」だった。

自分のことをしゃべりたいというより、自分の周りにあるものの良さをしゃべりたい。自分がいつもラジオを聴くように、「ながら聴き」でもいい、何かひとつ覚えている、思い出すものがあればいい。そう考えて生配信したのが「福岡のパン」についてのことだった。

(「惹きつけて楽しませる」「面白いと思わせる」というこの課題の趣旨とは真逆だったと、重々承知はしている。ただ経験として、自分の大好きなものを「しゃべり手」の側で作れたのは本当に大きかった。)

もう少しこうすれば良かった、という点は随所にある。でも「福岡っていいところですよ」「これ知ってたら福岡をもっと楽しめる」という気持ちで取り組んだのは確かだった。

自分の内側と向き合う機会

課題にまで取り上げているくらいなのに、それでも「福岡愛」に自覚的ではないのか。そう聞かれると、やはり「はい」と答えるしかない。もちろん全く嫌いではないし、むしろ馴染みの深い都道府県だ。
自分より福岡に長く住んでいる人はたくさんいて、その数のぶん自分より福岡のことを広く深く話せる人がいる。何より途中から福岡にお邪魔しているのだという「参入組」の感じが、まだまだ自分の中に色濃くある。
今まで別の地域で暮らしたこともある経験から、今後福岡を出ることがあっても大丈夫だと思う。別の地域で生活することになったら、それはそれでとても楽しみとすら感じる部分がある。
さまざまな経験や思いが、いま言ってもらえている「福岡愛」に対して、ただただ素直になれない状況を作っているのかもしれない。

いろいろなことを経験したい。
新しいことをどんどん取り入れたい。
そうやって外側に目を向けるつもりで参加した「企画メシ」だが、実は自分の内側に向き合うことがとても多くなった。こうやって自分の「福岡愛」について考えることも、きっとその影響だと思う。

昨今の状況から落ち着いて、気をつけながらも外に出られるようになって。そうして改めて自分の住んでいる街を見てみて、やっと「福岡ってこういういいところがあるな」と思う部分が少しずつ出てきた気がする。
いま福岡のことをつぶやくのも、遅ればせながら感じている福岡のよさを、何かを取り戻すようにメモしている感覚に近い。

そんなメモが幸いしてか、ここ最近は福岡に来た企画生が声をかけてくれて、会って話をすることも実現した。
「福岡といえば」と頭の片隅に残ってくれていたのか、それだけでも福岡のことをつぶやいていた意味がある。

「Represent」しようとはまだまだ思わないけれど

とは言え、やっぱり自分が福岡を「Represent」しようとは、まだまだ思えていないのが現状なのだ。
でも、近くに来た時に「会おう」と言ってくれる人がいる。そういう人たちが今後も増えるのなら、福岡のことはつぶやきたいし、福岡のことは紹介したいとは思っているのだけれど。
今いる福岡と自分について、もっと考えることができると思う。同時に、福岡でもっと年月を過ごしたら、今の思いも変わるのかなと少し期待している。


企画メシ2021も、残すところあと1回。
最終課題は「自分の課題」。
自分の内側にも向き合ってきた時間から、最後にどんな答えが出てくるのか。
時間はあまりないけれど、この半年ともう一度向き合ってみて、自分なりに価値のある締めくくりをしたい。

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