見出し画像

恵まれたいつも通りの日

空を見れば、本当に燦々と日差しが降り注ぐ夏の日。
周りを見れば、スーツケースを持つ人、子どもを抱いた人、友だちやパートナーと話す人。それぞれに歩いている。

自分はいつも通り早起きして、電車に乗り、仕事へ向かう。
いつも通り仕事をして、終業時間になったら家へ帰る。
本当に、いつも通りの1日だ。

今日は終戦の日。
こうやって「いつも通り」過ごせていることが、実は本当に恵まれているのだ。
自分は戦争を知らなくて、子どもの頃からこの時期には、映画を見て、映像を見て、マンガを見て、文章を見て、戦争を学んだ。

今「戦争を知る人たちがどんどん少なくなっている」と言われている。それは日本が戦争をしていないという証拠でもあると思っている。
語り継ぐ人がいなくなっていくことも同時に言われているけれど、本当に「体験談」として戦争を語れる人は少なくなるのだろう。

今後はその状況の中で、戦争について考えていかなければならない。自分にはどういうことが出来るだろうか。
「戦争はダメだ」ということに尽きるし、体験はしていないけれど、今までに見てきた作品や資料から想像を絶するほど恐ろしいものであることは分かるつもりだ。
でも、知った情報の中で「戦争はダメだ」と言い続けることしかできないかもしれない。

ただ、こればっかりは経験したいものではない。何でも経験した方がよりよく説明することができたり、自分ごととして捉えやすかったりするけれど、確実にそういうことじゃない。

大陸のほうからミサイルが飛翔してきて、日本の手前で着水したり、日本を越えて着水したりする。もし自分のいるところに来たらと思うと、それだけで恐ろしい。

日本から離れた国や地域では、今も紛争が起きる。テレビの向こうの世界が、自分の眼前に広がったらと思うと、声が出ない。

また明日から、おそらく恵まれたいつも通りの日が始まる。いつもいつでも戦争が傍にあってというわけではないし、この恵まれた日に身を任せるようなときの方が多いかもしれない。
8月のこの日や、ニュースであって欲しくないような状況を目にするたびに、しっかり思いを改めたい。

いいなと思ったら応援しよう!