見方や考え方を、すり合わせたり統一したりするというのは、ものすごく難しい。
ひとつの同じ物事の中で、一方は全体の流れや方針を取りまとめ、一方は実務レベルで細かく事例を見ていく。
取りまとめる方は、大きな視点で見ていて、大きな視点から要望や指摘をする。
細かく事例を見る方は、個別具体的な視点で見て、具体的な視点から要望や指摘をする。
これを両方の理想に近づくようにするのは、ものすごく骨の折れることだ。
どちらが間違っているということではない。むしろどちらの言うことも合っている。
取りまとめる方は、全体の方向を俯瞰し、ズレがあれば軌道修正しようとする。ただし、個別具体の事例を隅々までは把握していない。
細かく事例を見る方は、それに対して「じゃあAという事例はどうか?」「事例Bは当てはまるのか?」と、これまでの具体事例に触れて大きな方向を再度確認する。
大局を整えようとする側と、局地を見ていく側に、知らない部分や交わらない部分があまりに多いのだ。
これを橋渡しするのは、途方も無いような気持ちになる。
取りまとめる側の意図も把握できれば、細かく事例を見る側の気持ちも分かるからだ。
上からは押さえつけられ、下からは突き上げられ・・・・・・ではないが、交わらない部分、穴の大きさを誰よりもまじまじと感じる。
もうこういう時は、やれることをやるしかない。
全員が納得できる解決策があるのか、折衷案があるのか、全く違う第三案があるのか。
意見を聞き、伝える。その繰り返し。橋などどんどん踏みしめて渡って。双方が行き交えるのならそれでいい。
こう言うとものすごくネガティブなイメージだし、実際にポジティブな心持ちでいるのは正直難しい。
笑って乗り切れるような心の広さというのか、器量というのか。そういうものがあれば一番良いのだけれど。
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