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音楽で『TOKYO』に触れる(Nulbarich『TOKYO』)

『東京』『TOKYO』というタイトルの曲を聴くたびに、あまり馴染みのない東京の異質さを思ってしまう。

一番に思い浮かべる曲やアーティストは、それぞれ違うはず。有名なところだと、やっぱり桑田佳祐さんの『東京』なのかなぁ。
自分が知っているだけでも、赤い公園やきのこ帝国が『東京』、口ロロが『TOKYO』という曲を歌っている。タイトルに2つのワードを含む、というところまで含めると、RIP SLYMEの『Tokyo Classic』という曲がすぐに浮かぶ。

試しに『東京』『TOKYO』を含む曲を調べてみたら、パッと見ただけでも1000曲以上出てきて、いちいち見てみるのを止めてしまった。

自分が知っていたり、浮かんできたりした『東京』の曲は、どれも故郷を思うような曲の感じはしなくて。(※あくまで個人の感想です)
動きを止めない、流れる街。東京はそんなところだとイメージするような曲が多い。
気分が上がるというよりは、フワフワとした、時に寂しさも思わせるようなメロディーの印象のほうが強い。

そんな東京を歌った曲たちの中に、新しく加わる曲を発見した。
Nulbarich『TOKYO』だ。

やっぱりめちゃめちゃ気分がブチ上がるというよりは、ふわふわとした印象。でも、底から力強く、沸々とわき上がるようなものがある感じもしてくる。

Nulbarichは、もちろん名前は知っているのだけど。あんまりしっかりと曲を聴いたことが正直なくて。
今回MVを観ながら曲を聴くと、あの絶え間なく人で溢れる都会も都会の街中を歩いている風景を思い出した。

JQさんが寄せていたコメントを読むことができて、これがもうまさに曲とリンクしている。

ずーっと大切にしてた曲なんですが、Tokyoやニューヨークみたいに、
目的があって人が地方や世界から集まる場所で生きてると、
日々自分との葛藤が必要。そんな心情を書き下ろした曲です。

歌詞の一節にも、

限りのない選択肢自由の paradise
They say 自由は実は不自由で
目を背けてても孤独です

と出てきて、あー、そう。この感じだ。自分が今まで聴いてきた東京を冠する曲も、同じ部分を感じる。
だからこの『TOKYO』も、自分にはしっくりときたし、寂しいような、でも底にある強さも伝わって、心地よく聴くことができた。
また好きな『TOKYO』が、一つ増えた。

今まで東京でしっかりと暮らしたことはない。3年半ほど前に1ヶ月滞在したけれど、それ以外は遊びで数日行くくらいだ。
東京に行くたびに色々な場所を訪れているけれど、未だにほぼ東京のことは分からない。あれだけ日々TVでは東京のトレンドが流されて、いろんなものが発信されているのに。行ったところで、なかなかつかみどころが無いような気がする。
そういうところに、東京の異質さを感じるのかもしれない。

世界を見渡してみた時に、東京のように大都市・中心地・首都の名を冠した曲って多いのだろうか?
ニューヨーク、ロンドン、パリ、モスクワ、北京、ソウル・・・・・・。曲名にめちゃめちゃ使われそうだなと思う場所も、そんな使われるか?と思う場所もあるな。
国内で考えると、大阪とか福岡とかを冠した曲はあまり浮かばなくて。浮かんだとしても、なんとなく故郷を思い出させるか、コミカルな曲になるか。そんな気がしている。

だからこそ東京って、やっぱりちょっと他とは違う不思議な、でも魅力的なものが膨大にある街なのだと思う。
これからも東京を冠した曲は、増え続けていくんだろう。

自分はこの先、東京で過ごすとはあまり思っていないし、多分これからも旅行や遊びに行く街という感じだ。
実際に過ごすことで得られる東京の魅力には、あまり触れられないかもしれないけど。絶えず歌われ続ける東京の曲をいろいろ聴くことで、違う形で東京の魅力を感じ続けたい。

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