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「オール欧州組」という言葉の面白さ

「オール欧州組」
テレビの右隅にはそんな文字が出ている。サッカー日本代表の国際親善試合だ。
サッカーは熱狂的なファンではないけれど、日本代表戦はよくテレビで観る。W杯なども観るほうだ。

いま中継されているカメルーンとの試合は、オランダで開催されている。世界的な状況と、移動などを鑑みて、史上初の欧州組のみの招集となった。だからテレビには最初の文字が出ているのだ。

移籍や海外挑戦にはほぼ明るくない。なので、正直代表メンバーを編成できるほどの人数が欧州に移籍していることに驚いた。
自分が学生の頃に見ていた、中田英寿や中村俊輔が欧州移籍をしていた頃は、今回のように欧州組のみで代表チームを作るなんてできただろうか。

また、大きく分けても4つのポジションがある(もちろん細かいポジションの考え方があるのも心得ているつもりだ)。そのポジション毎にバランスよく招集できたということもすごい。
野球で現在、「メジャー組のみで侍ジャパンを作る」というのは出来るのだろうか。ポジションも9つあり、不足がないように編成して代表戦を戦うというのは、なかなか困難じゃないだろうか。
そう考えると、様々なポジションの選手が実力を評価されて、日本を離れ欧州に挑戦しているのだ。単純にスゴいなと思う。

「オール欧州組」なんて言われ方をするのも、よくよく考えてみるとスポーツならではなのかなと感じる。レベルの高い世界が日本の外にあって、そこで挑戦をしている・結果を出している人が多くいる。だからこそ、こういう言葉が出てきたのだ。

例えばエンターテインメントの世界では、そんな状況が生まれるだろうか?スタッフやキャストが全員日本の外で働く、日本国籍の人たちが集まって映画を作るとか?制作陣がそういう人たちで、音楽を作るとか?
でも、そもそもエンターテインメントでは「海外組」みたいなことに、そこまでの価値が置かれるか。そういう部分もあるのかな。

料理の世界や、ファッションやビジネスの世界では、世界で活躍している日本の人たちが多そうだ。それでも、「海外組」と呼ばれるような状況が、自分の中ではあまり思い浮かばない。この「オール欧州組」という言葉は、スポーツで、なおかつサッカーだからこそしっくり来る言葉なのかもしれない。

「今回海外組の招集は見送り、国内組のみの招集となりました」なんてニュースで言われることは今までもあった。だからその反対だと思えば、この「オール欧州組」という言葉も確かに違和感は無い。
何か「海外組」「欧州組」などの言葉が、他のジャンルで自然と使われるようなことが、今後あるのかな?
試合を観ながら、妙に引っかかった言葉の面白さを、ずっと考えている。

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