ビジネス
KSSの卒業生なら多くの人が思うだろう。
あの場所はなんて温かく優しさに溢れていたのだろう と。
僕は大学卒業後、仮にもリーディングカンパニーと言われる部類のコンサルティング会社で営業に従事していた。KSSからすれば一番、教育理念からかけ離れている場所かもしれない。
そんな現代の資本主義のど真ん中で働き、感じたことを少し後輩に伝えたいと思い今日は書いている。KSSの後輩に届き、社会を感じる一助になればと切に願っている。
コンサルティング会社の営業というのは、それはまさに数字ですべての評価が決まる、合理主義を絵にかいたような世界だ。売り上げ評価、受注評価、顧客満足評価、360度フィードバックこれらはすべて数字で表される。それらの数字に基づいて社員の評価は決まり即ちインセンティブを含め給与も決まるため、これらの数字を高めることは至上命題だと言える。朝は、達成率の確認から始まり、誰が何をどのようにいくら売ったかはリアルタイムで共有され、日中もランキング形式で配信される。数字に現れないどんなに重要な仕事をしたとしても、それは数字を作った上でのプラス評価には繋がれど、それが単体で評価されることはあり得ない。つまり、縁の下の力持ちなんて役所を演じようものなら万年平社員確定である。
さて、こんな世界を君たちはどう受け取るだろう。KSSの個人が尊重され、そもそも評価という軸を設けることが是とされてない環境から見れば冷酷な非人間的な場に映るだろうか。ビジネスなんて拝金主義だと糾弾するだろうか。ビジネスの仕組みをどう捉えるかは自分次第であり、それを利用するか敬遠するかは個別の判断だろう。
しかし、KSS出身者が「数字による評価」を勝手なイメージから遠ざけることはあまり好ましい傾向ではないと個人的には思っている。
数字では測れない人間の良さがたくさんある様に、数字でしか見えてこない人間性もまた多くある。それらが同等に重要であるということは体感してみなければわからない部分だろう。
だから、忠告しよう。あえて言おう。
数的評価の中に飛び込め。そこから見える人間像を体感してほしい、と。
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