最初の活字の集め方

画像1 デザイナーの山口信博氏が2018年に松屋銀座7階デザインギャラリーで行った「第745回デザインギャラリー1953企画展・図即地、地即図。方眼子句集の活字組版を視る読む」展で展示されていた句集の「はじめに」の一部です。ここに山口氏は、活字を8ポと12ポから集め始めたと書いています。8ポは北園克衛の詩を組むため、12ポは俳句を組むためと書いています。8と12は8の2分が12の3分という割り切れる関係を持っています(ここが大事)。
画像2 これは「はじめに」の俳句の組版です。捨て駒(活字をきちっと押さえるために、上下にクワタ3倍や2倍を置いておくこと)がないのがどうしても気になるのですが、頁物の印刷にはこれでいいのかもしれないと勝手に納得していました。
画像3 山口氏が組んだ俳句の組版。デザイナーの山口氏は、印刷屋さんが組んだ組版の文字以外の余白部分が雑(埋めればいいやということで見た目を気にしていない)なことをよしとせずに組版全体の美しさを求めたと書いています。なおここまでの3つの画像は、展示場の係の方に撮影の許可を受けていますが、ご本人の山口氏にはこういう形でネットに掲載する許可は受けていません。本来はルール違反なのですが、事後承諾覚悟で掲載させていただいております。
画像4 私のすだれです。私は先日も書きましたが、五号の活字から購入し、集めました。理由は、活字店の方にそう進められたことです。それと、詩を印刷するのに丁度良い大きさでした。それは、今思えば正解と考えています。五号は日本語の活字の基準となる大きさです。なので、文選箱、インテル等、いろんな道具が五号を基準に作られています。どんな文章の文字を印刷したいのかによりますが、五号活字でほとんどの物を印刷しようと考えました。その結果として本の大きさが変わります(ただし、チェースの大きさという限界がありますが、)。
画像5 これは私が組んだ句帳の組版。活版印刷をやり出した頃、インテルなどあまり持っていないときに組んだので木のインテルはホームセンターで売っていた丁度いい感じの平らな木材(子供が工作で使うようなもの)です。大体9ポイントの幅があります。
画像6 その木材を罫切りで切っているところ。一本数十円なので、思う存分切れます。
画像7 これは歌集を印刷したときの組版。
画像8 日本語の活字はあまりステッキ上では組みませんが、このときはとある本に書いてあるとおりにステッキで一度組んでから版を組んでいきました。今は、そういうやり方は、欧文活字以外は行っていません。

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