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初心者向けスクラム理解度クイズに勝手に答えて解説する

Ryuzeeさんのブログに初心者向けスクラム理解度クイズというものが公開されておりました。
まずはこちらの記事を読まれたうえでここから先を読むことをおすすめします。
私は初見で満点でした。ある程度理解できているようで良かったです。

この記事では正誤についてはわかるのですが、なぜ正解(誤り)なのかというところまで解説されておりませんので私なりに解説を考えてみました。

なお、あくまで私の見解でありRyuzeeさんとは一切関係がなく、なかには誤った解釈もあるかもしれません。その際は優しくコメントで教えていただけたらと思います。


Q1. アジャイルソフトウェア開発宣言の4つの価値観に含まれないものはどれですか?


正解:ウ. アウトプットよりアウトカムとインパクトを
これはアジャイルソフトウェア開発宣言を見るのが早いと思います。

Q2. スクラムのイベントに含まれないものはどれですか?


正解:オ. プロダクトバックログリファインメント
「オ」か「カ」あるいは「キ」かというところで迷いそうです。
スプリントがイベントなのかどうかというところですがスクラムガイドでは他のすべてのイベントの入れ物としてのイベントとしてスプリントが定義されています。
リファインメントもとっても大切な作業ではありますが、スクラムガイドではイベントの中には数えられていません。

Q3. スクラムの責任に含まれないものはどれですか?


正解:ウ. プロジェクトマネージャー
スクラムガイドではプロジェクトマネージャーは出てこないんですよね。
全員がプロジェクトマネージャーだという気持ちで臨むべきかなと思います。プロダクトオーナー≒プロジェクトマネージャーとしてしまうと不要な上下関係が生まれてしまいそうなので。

Q4. スクラムの作成物に含まれないものはどれですか?


正解:ウ. バーンダウンチャート
プラクティスの一つとして触れられていますが、「有用性は証明されているが経験主義の重要性を置き換えるものではない。」と述べられています。

Q5. スプリントの長さについて正しいものはどれですか?


正解:エ. 1か月以内の固定の期間
スクラムガイド的には1日スプリントもアリみたいですね。私の周りでは2週間スプリントが多いです。プロダクトの特性を考えて設定するものかなと思います。

Q6. プロダクトバックログの説明のうち間違っているものはどれですか?


正解:ウ. プロダクトオーナーがすべての項目を準備して、手入れする
POがすべて準備して手入れするものではないです。誰でも追加していいし、手入れしていいと思います。ただし最終的な管理者はPOになりますのであんまりPOの知らないところでいじいじしまくるのは良くないです。

Q7. プロダクトオーナーの説明のうち正しいものを1つ選んでください


正解:ウ. プロダクトオーナーは委員会や合議制ではなく、1人の人間でなければいけない
上下関係はないしHOWは開発者が責任を持つしデイリーは開発者中心のイベントであるし予算納期スコープの遵守責任はPO一人に押し付けるものではないです。POが複数人いると無駄なコミュニケーションコストが増えてしまいます。スクラムガイドの中で唯一「一人である」とされておりその一人に情報を集約してバックログ管理をするという大切な役目です。大変そうならスクラムマスターが支援するべきです。

Q8. スプリントプランニングの説明のうち間違っているものはどれですか?


正解:ウ. 開発者は、決定した計画をそのとおりに達成する義務を負う
開発者が達成する義務を負うのはスプリントゴールであり、ここで決定した計画ではありません。デイリーで日々スプリントゴールが達成できる方向へと計画を適応させる必要があります。

Q9. イベントの説明について間違っているものはどれですか?


正解:ウ. デモするインクリメントがない場合はスプリントレビューをスキップしてよい
デモするインクリメントがないとしても現在のプロダクトを改めてスプリントレビューの場で確認するべきです。

Q10. デイリースクラムの説明のうち間違っているものはどれですか?


正解:イ. 開発者はスクラムマスターに向けて進ちょくや課題を報告する
開発者同士で話し合ってスプリントゴールに対しての検査と適応を行ってください。

Q11. スプリントレビューの説明のうち間違っているものはどれですか?


正解:イ. 着手したプロダクトバックログアイテムを説明しデモや途中経過の説明を行う
途中経過の説明を行っても意味がありませんので、完成したもののみデモを行うべきです。

Q12. スプリントレトロスペクティブの説明のうち間違っているものはどれですか?


正解:イ. ステークホルダーへの報告のため、問題点を洗い出して再発防止策を検討する
ステークホルダーへ報告するものではありません。あくまでもスクラムチーム自身のためのイベントです。ヨソイキの体裁よりも本音で話し合ったほうが有意義な時間になると思います。

Q13. 開発者に関する説明のうち間違っているものはどれですか?


正解:イ. 開発者のなかにQA専門のサブチームを作ることもある
スクラムガイドではサブチームや階層は存在しないとされています。初めからサブチームがあるとその部分に他責思考が生まれてしまいそうです。

Q14. プロダクトバックログリファインメントの説明のうち間違っているものはどれですか?


正解:エ. 将来のスプリントで着手しそうなプロダクトバックログアイテムを開発用のタスクに分解しておく
開発用のタスクに分解するのはプランニングでやればOKだと思います。リファインメントではバックログに対して詳細化しチーム全員で共通認識を持つこととざっくりとした規模の見積もりができれば良いと思います。

Q15. スプリントのキャンセルについて正しいものはどれですか?


正解:ウ. スプリントゴールがスプリント中に無意味になった場合に、プロダクトオーナーはスプリントをキャンセルできる
キャンセルする権限はPOにあり、そう頻繁に起こるものではありません。プロダクトが開発中止になるとか本当にスプリントゴールが無意味になったときのみキャンセルされます。

Q16. スクラムマスターの説明のうち間違っているものはどれですか?


正解:ウ. 各イベントの司会進行をつとめるのが主な役割である
チームが未熟な段階ではファシリテートを務めることが多いですが、最終的にスクラムマスターが努め続けるものではなく、チームで自然と進行できることを目指すべきです。

Q17. スクラムの3本柱について正しい組み合わせはどれですか?


正解:イ. 透明性・検査・適応
私はよく、ここはテストに出ますよ~っていいますけど本当に出ましたね。スクラムにおいてこの3本柱は超重要です。

Q18. スクラムの価値基準のうち間違っているものはどれですか?


正解:ウ. 確約: スプリントゴールやスコープの達成を約束する
スコープの達成は約束できません。状況に応じて対応するスコープは変化するものだと思います。スプリントゴールは確約してください。

Q19. スクラムに関する説明のうち間違っているものはどれですか?


正解:エ. ウォーターフォールと組み合わせることで、両者のメリットが享受できる
中途半端なものはどちらのメリットも享受できないと思います。むしろウォーターフォールは一切のメリットがないなんて話もどこかで聞いたことがある気がします。

Q20. アジャイル開発の原則のうち間違っているものはどれですか?


正解:ウ. なるべく効率的に作れるようにして、短期間で多くの機能を作る
効率的に作れるようにするのはそうだと思いますが、短期間で多くの機能を作ることを目指していません。作りすぎることの弊害もあります。その時時で最も効果的な機能を作るようにしましょう。

Q21. スクラムでの本番リリースについて間違っているものはどれですか?


正解:ア. 毎スプリントの最後に本番リリースする
本番リリースはいつ行ってもOKです。むしろいつでも本番リリースができるような完成の定義を設定し開発するべきです。

Q22. スプリントバックログの説明について正しいものはどれですか?


正解:エ. スプリントバックログをすべて終わらせることよりスプリントゴールを達成することの方が重要である
ここの「ア」「イ」「ウ」は頭でわかっていてもついついやってしまいそうですね。スプリントで確約するのはあくまでスプリントゴールです。

Q23. プロダクトバックログアイテムの見積りについて正しいものはどれですか?


正解:ウ. スクラムでは見積りの単位ややり方を特に決めていない
決めていないです、が実際ストーリーポイントがよく使われているんだと思います。人間は現実の単位のような絶対評価よりも相対評価のほうが正確らしいです。ま、スクラムガイドではやり方は決まっていないです。

Q24. スクラムチームのメンバーについての記述のうち正しいものはどれですか?


正解:エ. 誰がいつ何をどうやって行うかはスクラムチーム内で決定する
POは兼務できないけどSMとDevはギリ兼務できるとか、SMは複数のスクラムチームを見ると勉強になるという話はありますし否定しませんが、スクラムガイドで明確に3つのロールに別れていてそれぞれの立場から全力で活動するべきとされています。スクラムチームには権限が委譲され自分たちで決めて進められるようにするべきです。

Q25. プロダクトバックログに含めてはいけないものはどれですか?


正解:オ. 含めてはいけないものはない
何入れてもいいんです。上位のものが「ア」の状態なら速やかにリファインメントすべきですが。

Q26. 完成の定義について間違っているものはどれですか?


正解:ウ. スプリントプランニングで選択したプロダクトバックログアイテムの完成が危ない場合は一時的に完成の定義を縮小することもある
これをやりだすとどんどん完成の定義が意味をなさないものになってしまいそうです。

Q27. アジャイルにおけるスコープ、納期、コストに関する考え方のうち間違っているものはどれですか?


正解:エ. アジャイルを使えばスコープの達成、納期とコストの遵守を同時に満たせる
アジャイルはそんな良いものではありません(笑)。一般的に納期とコストは外的要因で固まっていることが多いと思います。スコープを調整しながらも顧客の価値を最大化する方法を探っていくのがアジャイルだと思っています。

Q28. イベントと出席者の組み合わせについて正しいものはどれですか?


正解:エ. デイリースクラム: 開発者全員。プロダクトオーナーやスクラムマスターがスプリントバックログに積極的に取り組んでいる場合は開発者として参加
開発者のうち代表のみが参加するイベントはスクラムにありません。「イ」についてPOやステークホルダーが参加してもいいです。デイリースクラムは開発者による開発者のためのイベントです。

Q29. アジャイルやスクラムでのドキュメントの扱いについて間違っているものはどれですか?


正解:エ. 設計とドキュメント作成に特化したスプリントを行い、次のスプリントでまとめて開発するのが効率的かつ効果的である
本当に必要なドキュメントは都度都度作られていくべきだと思います。それも含めてのプロダクトだと思いますので。最後にまとめてでいいよって感じのドキュメントは実は不要なものなのかもしれません。

Q30. スクラムの認定資格や学習について間違っているものはどれですか?


正解:オ. あるチームでうまく行ったやり方を文書化して組織に展開しその通りにやってもらうと効率的かつ効果的である
「ア」「イ」「ウ」「エ」についてアジャイルやスクラムに限らずどんなことにも同じことが言えそうです。「オ」についてスクラムガイドで最低限のことだけが述べられておりそれ以上のところについては置かれている環境やプロダクト、メンバーによって様々ですので必ずしもうまくいったことが他でもうまくいくとは限りません。毎回最適を探る姿勢こそがアジャイルであり、そうはいってもの最低限度のフレームワークの一つがスクラムなのだと理解しています。

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