【family∞connect】Q.抱っこは何歳まで?
少し前に5歳さんちゃんが保育園帰りに
「早く死にたいなぁ。」と言った。
びっくりして理由を聞くと「死んで赤ちゃんになって、たくさん抱っこしてもらいたいの」と言うではないか。どうやら保育園で0歳児さんがお母さんに抱っこされているのを見てうらやましくなったらしい。
それにしても早く死にたいだなんて、ぞっとすることを言わないで欲しい。
もし死んだとしても人間に産まれるかどうかわからないこと
仮に人間に産まれたとしても今のお母さん(私)のところにはもう産まれてこれない可能性が高いこと
何よりもさんちゃんが死んでしまったら、お母さんもお父さんもべえさんもばあばもお友だちも先生たちも、みんながとてもとても悲しいこと
自転車を漕ぎながら切実に理由を語り、「だから早く死にたいだなんて思わないで欲しいんだ。」と伝えると「わかった。」とさんちゃんはうなずいた。
5歳になってできることも増えたし、なんでか話すことは大人顔負けにロジカルだし、すっかりしっかりしたお兄さん(ときどきやんちゃ坊主)になったと思っていたけれど、抱っこされた赤ちゃんを見てうらやましく思うなんて甘えさせてあげられていないのかなと反省した帰り道だった。
それからしばらくしたある日、なんとはなしに「抱っこして!」というさんちゃんを赤ちゃんの縦抱きのようにぎゅっと抱っこをし、流れていたBling-Bang-Bang-Bornに合わせてゆらゆら踊った。
そういえば赤ちゃんの時はよくこうやって抱っこをして、揺れたり踊ったりしてあやしたなぁと思い出しながら。
さんちゃんはそれがいつにもましてうれしかったようだ。
数分間の抱っこの後、彼は満足そうな表情をしてその日は一日中ご機嫌だった。
夜、布団に入ってからは何度も「お母さん、今日はごはん作ってくれてありがとう」「お布団きれいにしてくれてありがとう」「お風呂沸かしてくれてありがとう」とさんちゃんが思いつく限りの感謝を述べてくれた。
その度に「こちらこそ、ごはんたくさん食べてくれてありがとう。」と返して、べえさんもそれに乗っかって「ありがとう」と言いながら3人で眠った。
腰が痛いとか、重たくなったからとか理由を付けてよほどの時しか抱っこしなくなっていたさんちゃんを、抱っこできるのはあとどのくらいだろう。
「大人になってもお母さんとお風呂に入るし、お母さんと寝る!」と言っているママっ子だけれど、きっとすぐにそんなの忘れてしまうにちがいない。
少しくらい身体が辛くても、ただ何の理由もない抱っこをもっとしてもいいんだな。現在の私たちを満たしてくれるだけでなく、いつかやってくる親離れ子離れの時の支えになってくれるはずだから。
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