身近なことから学ぶ「よのなか科」
よのなか科ってなに?(アクティブラーニング)
自分の身近なもの・ことから、「勉強になったなぁ」と思った経験はありませんか?
たとえば、私は先日「rice」の単語一つで「米」も「飯」も「稲」も表せるということを知りました。お米が重要な作物である日本では様々な言い方であらわしますが、英語圏ではそれほど重要でないので「rice」だけで意味できるようです。
逆に、「馬」は重要なので、「horse」「mare(メスウマ)」「pony(小型のウマ)」「stallion(オスウマ)」などいろいろな単語があるようです。言葉一つで各国の価値観や文化を理解することができるんだなぁ、と勉強になりました。
と、このように学んでいくのが“よのなか科”の学習です!
↓ 1分だけこの動画をご覧ください。
この動画のピザのようによのなかにある身近なモノをテーマにした”アクティブ・ラーニング”です。
① テーマについて自分の頭で考える。
② 考えたことを仲間と一緒に話し合う。
③ そして、最終的な自分の考えをまとめる。
この順番で思考のトレーニングをする授業が「よのなか科」です。
よのなか科の3つの特徴
もう少し詳しく説明させていただきます!
よのなか科には3つの特徴があります。
1つ目は、”身近なモノ・コトをテーマにする”ということ。教科書ではなく、よのなか全体が教材になります。先ほどの動画のように、社会の授業で「貨幣とは?」から学ぶのではなく、ピザ1枚から経済を学ぶことができれば、子どもたちは興味を持つでしょう。ピザ1枚の価格を考えることで、原材料費・人件費といったことにも関心をもちます。原材料のチーズ、トマト、パンはどこで作られているのか、ということを考えていくと、輸出入の話になって世界との繋がりも見えてきます。このように、よのなか全体を教材化したほうが、はるかに”自分ごととして学ぶ”ことができます。そういうやり方が「よのなか科」なのです。
2つ目は、”主体的かつ協働的に学ぶ”ということ。正解がひとつではないテーマを扱うので、1人1人違った意見を持つと思います。仲間と一緒に案を出したり話し合いをすることで、他者とは何なのか、ということを学ぶ機会にもなります。最終的に自分なりの答えをまとめて、それを発表したり、200字くらいの文章にまとめたりします。そうすることで、”論理的に考える力”を伸ばすことができるのです。
3つ目は、”学んだことをすぐに思い出せる”ということ。例えば、ピザで経済を学べば、ピザ屋さんの前を通るたびに、あるいは、ガブッとピザを食べるたびに、授業でやったことを思い出せます。それをきっかけに、親子で話し合い、学びを深めることもできると思います。学ぶきっかけがたくさん転がっているので、何度も何度も学ぶことができ、身になるスピードも速くなります。これがよのなか科のミソです。
よのなか科の実績
「よのなか科」は民間人から初めて校長を務めた、藤原和博氏が提唱した知識と実際の世の中との懸け橋になる授業です。
実は、よのなか科の授業は20年ほど前からいろんな場所で採用されています。学校・図書館・サッカーJリーグのクラブチームなどで行われていて、成果を出しています。
たとえばJリーグでは、やはりサッカーをテーマとして、選手たち同士で話し合います。選手たちは、試合のためにたくさんの人が働いていることや、クラブチームがどんなふうに運営しているかなどを、よのなか科を通して知ることができ、感謝しながらプレーに励んでいるようです。
最後にまとめますと、よのなか科とは“身近なモノ・コトから自分ごととして考える授業”のことです。
今、日本の教育に求められている"アクティブラーニング"の手法で、「正解が一つではない課題」に対して、
①自分の思考を整理する。
②異なる視点をもつ色々な人とともに考え・表現し合う。
③最後にもう一度、自分なりの納得出来る考えを表現する。
そうすることで、社会で生きていくうえで必要な「情報編集力」を身につけることができます。そこまで学べるのがよのなか科。
つまり、”思考力・判断力・表現力”を身につける授業です。
考えるということに年齢や立場は関係ありません。大人も大歓迎です!ぜひ、私やスタッフも含めて一緒に学びましょう。
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