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PHOTO BOY 1979-1988MY ROSE PERIOD IN AMERICA



東京蔵前 長応院 
御住職 谷口昌良先生の作品

高校卒業時に渡ったアメリカ時代の作品を纏めた作品集が手元に届いた

中学から熱心に写真に情熱をかけ
写真家としての夢を持ち写真の勉強でニューヨークへ留学
僧侶として国内外布教のお務めされながら写真家、アートコレクターとして多彩な活動を行い
寺院内に鑑賞、観照の場、空蓮房を開設し
定期的に展示を行っている
サンフランシスコ近代美術館、国立近代美術館にコレクションを寄贈も行っている

今作は写真への前のめりに溢れる
情熱とピュアさ若さ
アカデミックに写真を学ぶエネルギーが全面に感じた

谷口先生の普段の落ち着きある振る舞いやお言葉から感じる奥の方の静かに燃える写真愛、写真への夢と情熱が止めれなかった時代だった 熱くなった
当時のニューヨークもそうだった


強い写真愛を持つが故に写真から離れ
修行の為に帰国 そして布教の為再渡米

仏教の精神的なものを英語で伝える事の齟齬や葛藤と限界

写真の重心からは積極的に離れ 忘れ
寺を継ぐ事と私生活、家族に重きを置く為に日本に帰国した
コンパクトカメラで家族写真を撮っていた

作品を作りたい 写真からは離れられないという悶々とした気持ちに揺れながら
強くなる


2022年にこの場所をご紹介頂いた
 「写真物に問う」という展示に伺ったのが最初だった
お堂の中に陳列する大量の書籍や写真集の中から当時熱中していたベンヤミンの著作全巻見つけたことが焼き付いている

白い空間の中で一人ずつ瞑想する
鑑賞する 写真家達の写真供養の燃灰が最後に飾ってあった

見終えて考えながら外の光を浴びると先生からお話を頂いた
入り口にあった展示に対する寄稿文を繰り返しながら

いつでもどこでも瞬間を切り取れる時代
「全てを赴くままに あなたの思い通りの世界を!」と謳うAdobeのコピーや広告
この世は思うようにはならないと説いた釈迦との対比に写真の本懐を考えた

今此処の瞬間を切り取る写真の永遠性の幻想
かたちあるものはこわれ
かたちなきものはわすれる
無常についてお話だった

初めて先生から頂いた言葉に掴まれて
それから何度か通わせて頂き
毎回大切な気付きに日常を引き締めてもらっている

空蓮房と出会ってから著作の「仏教と写真」などの著諸作を手に入れて読んでいたが、写真集をリリースしていたことは今回初めてしった

写真少年というタイトルのシリーズ
学生時代に師事したレオルビンファインによって監修が行われている


踊りから離れようとして離れられなかった25-30代
3.11の後に踊りから積極的に離れようとした10数年、忘れようとして忘れられなかった感覚も消えた想いもある

体を動かす事、音楽を追求する事
自分のアイデンティティに立ち返る事
見落とし見失った記憶と想いへの追求をアメリカの黒人文化、英語圏の文化圏からのカウンターカルチャーとして一歩ずつ一冊ずつ日本の事をしろうとしている

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言葉を直接届ける機会をいつか何処かで作れたら!