電話の向こう側に見た未来
一年前のある日
教員をしていた頃の
生徒から電話がありました
彼が中学を卒業以来の連絡でした。
「先生、お久しぶりです
◯◯です。
覚えていますか?」
と…
「もちろん!元気?」
本当に驚きました。
連絡先は卒業後に教えていましたが、
実際にかかってきたのは
初めてでした。
どこか大人びて、
頼もしい声に聞こえました
教員という職業は
その当時ももちろん
たくさんの“喜び”や“感動”
を生徒からもらいます。
でも卒業後もこうして連絡をくれることは
とても嬉しいことなのです
彼は生徒会長に立候補するときに
「担任(の先生)にも反対されたけど、先生(わたし)だけは応援してくれました。ボクの味方は先生だけでした。」
覚えています。
そのときは単純に
「やってみればいいじゃない?」
と思ったから、そう言ったのです。
彼なら出来るのでは?と
部活に対する姿勢などを見てそう判断したのでね。
それが何より嬉しかったと話してくれました。
中学3年間だけの繋がりではなく、卒業後も彼らの成長を感じていけるのが教員の醍醐味のひとつです。
今回は
「ボク、◯◯大学の“看護科”に合格しました」
との連絡でした。
中学生のときから
“看護師”になるのが夢だった彼。
「夢に一歩
近付けました!」
「すごいね!おめでとう」
「ありがとうございます!先生は今何処の学校にいますか?他の◯◯と◯◯も大学合格したから、先生に報告したいって。
会いに行ってもいいですか?」
そのとき初めて
「入院をしていること」
「教員は辞めたこと」
を、話しました。
今まで教え子には、一切“難病”のことは話していませんでした。
彼は黙って話を聞いてから
「先生、今度はオレが味方になります!
看護師になって、先生に会いに行きますから!
絶対に行きますから、待っていて下さいね。」