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木造校舎物語#部活動編

 こんにちは👋N.です。


 “初恋編”でも書きましたが、私は野球部のマネージャーになった。
 マネージャーと言えば、“部員と親しくなれる”
とか“モテそう”とか勝手な善きイメージばかり持っていた。

 でも実際はそんな甘い仕事ではなかった。
 
 顔は真っ黒にやけるし、強打のボールを素手で拾うから、指先がよく割れた。
 60人分のスポーツドリンクを何度も作って、持っていく。これが重い。
 
 「ありがとう!」

の笑顔が力になった。

 
 3年生の部員とマネージャーは、微笑ましいほど仲が良かった。3年生になったら“私もこんな風に笑っていたいな”と思っていた。


 でも私がマネージャーとして活動出来たのは、一年間だけだった。

 もちろん辞めたくて、辞めたわけではない。

 手が荒れていったり、爪が割れたりしたためピアノに支障が出始めたのだ。
 
 そして何より、高校生になってからレッスンを毎週地元でやる他に、札幌と東京でもレッスンを受けることになった。

 
 
 退部する前に、部室の椅子の座布団を作ってほしいと頼まれた。

 水色の生地に赤いワッペンで名前も付けた。
 

 最後の練習の日、部員に渡すと、
「ありがとう!大事にするね。お疲れ様でした。」
 この言葉に我慢していた涙がボロボロこぼれた。


 中途半端に終えてしまったけど、今でも思うんだ。
  


“やって良かったな”って。


 


 

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