
【訪廊日記】2025年2月15日
【訪廊日記】2025年2月15日
展示名:【O+(オープラス)展】(藝大デザイン科第8研究室の在籍者による展示)

会場:新生堂 SHINSEIDO GALLERY
参加作家:
ウラン/木村奈穂子/後藤まどか/近藤ののか/CAI QIN
眞士/畠野大志/馮聖心/有理/RISA(五十音順、敬称略)
《ギャラリーより》

東京藝術大学大学院デザイン科Draw・押元一敏研究室の、博士課程から修士課程に在籍している10名の学生の展覧会です。
素材やジャンルに固定されず、デジタルアート作品から日本画作品まで、個性豊かな作品を展示いたします。
《ギャラリーについて》
地下鉄表参道駅の青山大学方面の出口から出て、いくつかの「映える」お店を過ぎた辺りの小道を左に入れば、そこが新生堂です。
(案内の看板が無くなっていて、通り過ぎてしまった)
ギャラリースペースは、一階と地下一階にあります。
エレベーターで降りる地下のギャラリーは、当然ですけど窓がなく、地上の喧騒から隔絶されているため、集中して作品の鑑賞ができます。
「浅村理江さん」や「川島陽介さん」の個展は、いまだに「脳内で反芻」しています。
ワタシが訪れるギャラリーの中でも、かなり「My favorite」です。
思えば新生堂は、ワタシが訪廊を始めた最初の頃から通っているギャラリーです。
その時の展示は「てふてふ」(会期:2018.05.31(木)~06.15(金))というグループ展でした。
丁子紅子さんの作品を観るために伺いました。
《鑑賞》
今回参加される作家さんの中で、作品を鑑賞したことがあるのは「後藤まどかさん」と「CAI QINさん」だけでした。
後藤さんは先日の藝大の卒業・修了展でも「ホームタウン」を拝見させていただきました。
CAI QINさんは藝大や八犬堂の展示で度々拝見し、佐藤美術館ではギャラリートークで頑張って話す姿も見ている作家さんです。
一階のギャラリーに入ると、他のお客さまはいない状態でした。
(入る前絵から分かるんですけどね)
スタッフさんが「今日は作家さんが何人かお見えになっています」と言いながら、奥の部屋にチラッと目をやったので、
割と人見知りなワタシは、エレベーターに乗って、まずは地下から鑑賞開始。
降りてみると、地下は作家さんとお客さまがたくさんいて賑やかでした。

まず目に飛び込んでくるのが「CAI QINさん」の「緑」。

キャプションを読まなくても分かります。
観ているうちに笑顔になれます。不思議です。
初見の作家さんでは、「有理さん」の「青」に惹きつけられました。



中国・福建省の出身のようです。
「人間に意味づけられたものたち」がとても興味深い内容でした。

《一階へ》
一階に戻ると手前の広い方の部屋で作家さんとお客さまが楽しそうにお話をされていたので、まずは奥の部屋へ。
「ウランさん」の妖しい作品を前に、しばし立ち尽くしました。







名刺はとても可愛くて、二枚もらってしまった。


そして後藤さん。
「X」の投稿を見た時から、「これは原画を観なければ!」と思った『ごちそう』をさっそく拝見。

風もないのに、木の実とスズメの心が揺れているようでした。
「此処を見て、次に此処を見る」というのではなく、「見た瞬間にすべての情報が網膜を通して脳内に飛び込んでくる」そんな作品でした。





手前の部屋に移り、かなりインパクトのある作品を鑑賞。
「近藤ののかさん」の作品でした。


その、近藤さんが在廊されていた、というか直ぐ側にいらっしゃたので、
作品の感想もそこそこに、ワタシにとっては禁断の(大げさ)質問を。
「そもそもデザインってなんですか?」
《デザインってなんですか?》
「絵画の構図を考えることもデザインである気がするし」
「日本画でいうところの余白の活かし方もデザインではないか」
「そもそも、使用する画材を考えることもデザインと言えるのでは」
そこから、もう一人の方も巻き込んで、
指導の一環であろうが、先生方からは、具体的な「指示」よりは、
「自分を磨け」「自分の目指す方向へ進むための、自分のあるべき姿を思え」的な
「放任」「指導」が多い(授業料を払ってるのに)という笑い話も交えたちょっとした協議・議論になり、
「世の中には藝大以外にもデザインを教える学校がたくさんあるが、それらはもっと商業ベースな教育をしている印象がある」
「藝大のデザイン科のグループ展で観る作品は、半分以上が、デザイン科、ですか? みたいな感じがします」
と、脱線しつつ、
最終的には、
ざっくりと「デザインは手段である」で落ち着いたような気がします。
《完》
#デザイン #デザイン科 #東京藝術大学大学院デザイン科 #押元一敏研究室
#japanespainting #日本画 #絵画 #painting #新生堂