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あの「青いターバンの少女」に会いにオランダへ(続き)
アムステルダム散策(2023/11/24~26)
アムステルダム国立美術館(11/24)
朝は冷えこみ天気も良くない。この季節のオランダ特有の天候だ。ホテル目の前のトラムに乗り、この旅2つ目の目玉であるアムステルダム国立美術館へ。早めに出発したからか今回も前列に並ぶことができた。
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牛乳を注ぐ女
開場早々お目当てのフェルメールの間へ。まず目にしたのは「牛乳を注ぐ女」。こちらも「真珠の耳飾りの少女」に次ぐ、有名な作品である。
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オランダ絵画は他の欧州諸国とは異なり、庶民の生活にフォーカスした風俗画が多い。豪華絢爛な宗教画や神話画は力のある王侯貴族に好まれるが、共和制下のオランダでは絵を持つのは庶民の方だった。日常のひとコマを絵に閉じ込めた風俗画の方が人気だったのだ。
パン表面にハイライト表現として点描技法が使用されている。フェルメールが光の魔術師といわれる所以だ。光の粒が目の前のパンをより具体化している。まるで鑑賞者が実際に触ることができると錯覚するほどに。
青衣の女
お次は「青衣の女」。オランダ絵画に多く見られる「地図」が壁面に掛けてある。彼女の手にあるのは「手紙」。推察するに、旅行か航海に出た夫からの恋文だろうか。陽光がフェルメールブルーの青衣を照らす。女は待ち焦がれたラブレターに目が離せないのだろう。画家特有の静謐さが画面に緊張感を生む。
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恋文
続いて「恋文」。先の「青衣の女」と同様、中央のシターン(恋愛を暗示する楽器)を持つ女の手元には一通の手紙。後ろに海景画があることから、海に出た恋人からの恋文を受け取った瞬間に違いない。最初に受け取ったのは使用人か。女主人の顔を見ながらにやけている。そんな女主人は心を見透かされたかの如く、驚きと恥じらいの表情に溢れている。洗濯物やサンダルが床に散らばっている。家事もよそに恋愛や音楽に没頭しているのか。
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小路
国立美術館最後のフェルメール作品は「デルフトの眺望」に並ぶ風景画「小路」である。
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風景のモデルは実はよく分かっていない。画家の生まれ故郷デルフト市内や叔母の家である等、未だ議論の最中だ。とはいえ時間を止めたかのような静謐さを抱かせるフェルメールらしい風景画である。壁のタイルや人々の生活まで細かく忠実に描かれているのを見ると、この平和な風景をこよなく愛していたに違いない。
このアムステルダム国立美術館では一気に4つものフェルメール作品と会うことができる。マウリッツハイス美術館と合わせるとオランダだけで、7作品に会えるのでフェルメール巡礼の出発点に相応しいだろう。
ザーンセ・スカンス
オランダといえば風車。美術館を後にし中央駅から電車20分、目的地のザーンセ・スカンス風車村へ。
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雨風強く、雹まで降る始末。東京とは大違いの気候に驚きを隠せないが、ここまで来たからには見なくては。全盛期には600基もの風車が立ち並ぶこの地も今では数基ほど。園内はチーズ工房や木靴屋さんが並び、オランダ土産を買うにはちょうどいい。
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再びアムステルダムへ
ザーンセ・スカンスを後にアムステルダム市内へ。すでに日は落ち、街明かりが輝く。
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行き交う人々は身を寄せ合う。北の大地は一人旅には寒すぎる。余談だがオランダまでは直行便で約25万円ほど、ホテル代も市内は高くつく。諸々のチケットも安くはなく、旅の中でいかに節約するかがカギだ。幸いヨーロッパは出店が多く食に興味のない私は食費を抑えることができる。
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帰国(11/25~26)
帰国の朝は少し早く起き散歩へ。有名なアンネフランクの家は早朝から長い列が。3泊5日の短すぎるオランダ旅がついに終わる。
冬の寒さとは裏腹にオランダの人々は温かい。また自由な国柄からか、オランダの時間はゆっくりと平和に流れている。まさに400年前、フェルメールや他のオランダ画家たちが絵の中に閉じ込めた日常のようだ。
最後までお読みいただきありがとうございました。。!
旅行記を書くのは初めてなので色々つっこみどころが多い(?)かとは思いますが、コツコツ続けていけたらいいなと思います!
語りの口調が少し堅い気が。。(笑)
次回はオーストリア編でお会いしましょう~!